4人に1人は「夜型人間」 科学が明かす日々のリズムの活用法

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気分やエネルギーには、自然と1日のリズムが備わっていることをご存知だろうか? このリズムを活用すれば、最も高い成果が期待できる時間帯に各タスクを振り分け、1日の予定を決められる。

ベストセラー作家、ダニエル・ピンクは最新著書『WHEN: The Scientific Secrets Of Perfect Timing(いつ──完璧なタイミングを解き明かす科学の秘密)』の中で、あらゆるタスクに最も適したタイミングを科学的に説明している。私はピンクを取材し、話を聞いた。

筆者:この本を書く中で発見した、最も驚きの事実は何ですか? またその発見により、毎日の生活に影響はありましたか?

ダニエル・ピンク:最も驚いたのは、人間の認知能力が1日の間に劇的に変化し、一定レベルを保っているわけではないこと。そのため、各タスクに適した時間帯は、作業の性質によって変わる。こうした見識を基にして、私の毎日のスケジュールも変化した。

筆者:同書では、人は年を取るほど友人を選別し、多くの人との関係を断つ傾向があることについて複数の研究を紹介されていました。これはなぜでしょう? また、老後を迎える前にこうして交友関係を整理するべきでしょうか?

ピンク:人生であれ、4年間の大学生活であれ、私たちは何かの終わりに差し掛かると、意義と目的により重きを置くようになる。私たちが意義と目的を見出すのは大抵の場合、幅広い付き合いではなく、親しい人との関係だ。

仕事面では、広く多様な人脈が役に立つため、交友関係を整理して人との関係を断ち過ぎる前に、一度しっかりと考える必要がある。とはいえ、私は25歳くらいから付き合う友達を厳選しているので、年齢に比べてかなり先を行っているかもしれない。

筆者:ほとんどの人は午前中、他者への温かい気持ちを持っていて、午後になるとそれが少し下がり、夜になるとまた復活する、と同書にはあります。この知識を、会議や約束、面接、イベント等の設定に活用するにはどうすれば良いでしょう?

ピンク:人は大抵、1日の間にピーク・谷間・回復の3つの段階をたどる。80%の人は、この3つをこの順番で経験し、ほとんどの人がピークを経験するのは朝の時間帯だ。ピークの時間帯には気分が高まるだけでなく、緊張感が上がり気が散りにくくなる。そのため、ピークの時間帯は分析作業をするのに最適だ。

谷間の時間帯は午後早くから夕方くらいまで。気分的にも認知能力の点でも最悪なので、この時間帯は事務的な作業をした方が良い。ほとんどの人は夕方から夜にかけて回復する。気分は良くなっても、集中力はピークの時ほど上がらず、精神的にリラックスした状態なので、アイデア出しやブレーンストーミングなど見識を深める作業に最高の時間帯だ。
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翻訳・編集=出田静

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