4人に1人は「夜型人間」 科学が明かす日々のリズムの活用法

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筆者:4人に1人はピークと谷間の時間帯が他と異なるとのことですが?

ピンク:中には、“遅寝遅起き”の夜型人間もいる。このタイプの人の1日のリズムは、他のタイプに比べて複雑だ。最も重要な違いとして、夜型の人は午後遅い時間から夜にかけてピーク(緊張感が高く気分が上がる状態)に達するため、頭と集中力が求められる分析作業をするのに理想的なタイミングもこの時間帯となる。問題なのは、企業の勤務時間はほとんどの場合、夜型人間には全く合わない時間帯に設定されていること。

筆者:チームを管理する上で、管理職はこの知識をどう応用すれば良いでしょう?

ピンク:2つの大きな活用法がある。1つはチームの各従業員に対し、適切な時間に適切な仕事をさせること。チームが朝型と中間型(全体の80%を占める)ばかりの場合は、午前中は黙々と分析作業をしてもらえば良い。チームに夜型人間がいる場合は遅い時間帯に出社させ、同僚の多くが帰宅した後に分析の仕事をさせること。

2つ目は、会議の予定を戦略的に設定すること。会議には膨大な時間が費やされるが、企業が会議の日程設定に使う基準は出席者の空き状況のみ。それは大きな間違いだ。まずはどういう種類の会議なのかを見極めること。

焦点を定めた論理的な姿勢が必要な会議か、開放的で自由な発想が必要な会議か、それともただの事務的な会議なのか──。出席者は、朝型か夜型か、それとも混合型か、といった点も考慮する。会議を行う時間帯は、事務的ではなく戦略的に決めるものだ。

筆者:同書では「社交のための休憩」を取る価値を説明されています。特に人脈面で期待できる効果は何でしょう? この休憩を取るのに適したタイミングは?

ピンク:休憩の科学は、15年前の睡眠の科学と同じ状況。現在は画期的な進化を遂げようとしていて、大きく再評価されている最中だ。私たちは、特に午後の谷間の時間帯に取る休憩を増やすべきだが、どんな休憩でも良いわけではない。社交のための休憩、つまり他者と一緒に過ごす休憩時間は、一人で休憩するよりも回復効果がある。

しかしそれだけでなく、体を動かしたり、自然の中で過ごしたり、仕事から完全に隔離された休憩を取ることも必要。人脈面では、社交のための休憩が大いに役立つこともある。既に知っている誰かを少し異なる状況から理解する機会となり、その人との親交やつながりが深まるかもしれない。

筆者:仕事を辞めるのに最適なタイミングは?

ピンク:それは人によって違うし、労働市場の状況によっても変わる。しかし、一般的な傾向として、入社から1年、2年、3年が過ぎたタイミングで退職する人が多い。その節目が来たら、「私には今でも学びがあるか?(会社に)貢献できているか? 今の仕事は挑戦も管理もどちらもできるものか?」と自問する。答えが「ノー」であれば、転職活動を始めるべきかもしれない。

翻訳・編集=出田静

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