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──最初に会ったとき、プロダクトはどれくらい出来ていたのでしょうか。

尾形:ウェブ上で見せられるものはほとんどなかったと思います。強いて言えば、画像くらいですね。当時はスポーツを軸に「ニュースとコミュニティ」をかけ合わせた「スポーツ版NewsPicks」のようなサービス。ユーザー同士がコミュニケーションを取るというもので、現在の“試合中“というコンセプトはありませんでした。

為末:スポーツを評論する人たちが集まってくるというような感じでしたね。

──そこから試合中のコミュニケーションという部分に行き着いた経緯は何だったのでしょうか?

尾形:スポーツニュースに対してコメントする人が想像以上にいなかった。特にアスリートのコメントはなかなか集まらない。これはいまの形では結構難しそうだなと思いました。試合が終わった後のニュースではなく、試合中のほうがツイッターなどでも盛り上がっているので、試合中に振り切った方が良いんじゃないか、と思い、現在のモデルに切り替えていきました。

Player!はバーのような空間

──為末さんは「Player!」のどういった部分に可能性を感じたのでしょうか?

為末:スポーツ観戦の今後の語る際、昨今「VRで試合観戦」というのがトレンドとしてあると思います。実際。僕もヘッドマウントディスプレイを身に着けてVR空間で試合を観たのですが、なんか違和感があったんですよね。VR観戦は観ている対象と自分の1対1の空間になってしまう。試合自体には干渉をしてるのだけれど、みんなで応援してるという感覚が得られない。視覚的にはその瞬間を観られているのですが、観戦体験における五感が足りないな、と。スポーツ観戦に関しては、視覚だけ切ってしまうのは良くないと思っています。



そういう意味で競技場での観戦は昔からあるそのままの形で良いと思うのですが、競技場外の観戦がこれから増えていくにあたって、競技場内にある興奮をどのように創出し、競技場外の人に届けるか。そこの領域には多くの可能性があるんじゃないかと思ったんです。

加えて、多くの人が試合を観ながらコミュニケーションできる場所があって、その窓がオープンになっているPlayer!はこの領域にうまくハマっているのかな、と。感情をシェアしたい、共感したいという欲求の窓を開ける、パイプをつなぐという役割を担えるのかなと感じました。

──何かのプレーに対して批判や称賛の感情が生まれたときに、他の人がどう思ったのか気になる人は多いと思います。周囲の意見を聞きたいという欲は誰しもがありますよね。そういう意味でPlayer!の空間でのコミュニケーションは需要があるのかな、と。

尾形:それはありますね。“共感できる場所をつくる”というテーマはもっています。他のメディアでは見ることのできないスポーツやアマチュアスポーツも集めて、優位性の高いメディアをつくろうと思ってるんですけど、まずは楽しいコミュニティでありたいんです。例えば、先日のW杯での日本代表戦も家でひとりで観戦しながらチャットしてる人も多かったと思うのですが、そういう人たちに集まってほしいんです。

為末:ツイッターのようなSNSサービスとのコミュニティの違いはどうなってるんですかね?

尾形:結構、ツイッターには近いですけど、少しだけクローズドな感じです。「お久しぶりです」みたいなコミュニケーションが生まれることはありますね。

為末:ツイッターは社交パーティみたいな感じで、Player!はバーみたいな感じなんだね。

文=竹中 玲央奈 写真=なかむら しんたろう

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