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「仮想通貨」マーケット実況 

Adrian Today / Shutterstock.com

先週末からここまでのビットコイン価格は、引き続き69万円台から74万円台の狭いレンジで推移している。上下5万円の値幅は6〜7%の変動率となるが、為替や株とは比較にならない変動率の高さを誇る仮想通貨としては静かな推移といえよう。6月22日に金融庁が仮想通貨交換登録業者6社に業務改善を命じて以降、上値の重い展開が続いている。

米国からは、7月9日に、ビットコイン先物を提供する米大手デリバティブ取引所CBOEが、米証券取引委員会(SEC)にBitcoin ETFを申請と伝わったが、さほど買い材料視はされなかった。

米国ではこれまで数社がビットコインETFの上場を試みたが、SECが申請を却下しており実現していない。SECは6月、ビットコインとイーサリアムについて連邦証券法上の有価証券に該当しないとの見解を示し、法的位置づけが整理されつつあることから、今後は慎重な姿勢を崩していくことが期待されている。

SECはCBOEの提案を受け、再びビットコインETFに関する意見聴衆を行っており、前向きな検討が行われる可能性も出てきているが、ビットコインは75万円の壁に跳ね返された。

なかなか反発が入らない背景には、国内の大手仮想通貨取引所に下った行政処分に対する各社の改善計画の進展がネックになっていると考える。各社は、7月23日までに業務改善計画を書面で提出することとなっているほか、業務改善計画の実施完了までの間、1か月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに書面で報告するといった内容を求められている。

厳しい指摘内容を考慮すると、生半可な対応では前に進まないだろう。こうした進捗に対する警戒感が投資家のマインドを冷やしているといった構図である。

そのようななか、足元ではトルコリラなど新興国通貨が下落したタイミングで、ビットコインが買われる場面も見られた。昨年12月に米国でビットコイン先物の取引がスタートして以降、ヘッジファンドなどアグレッシブな運用を手掛ける投資家が、為替や株と絡めた仮想通貨投資を手掛けていると推測されている。米国の利上げによって新興国通貨が下落する展開が続くのであれば、仮想通貨に投資資金が流入するとの見方もある。

なお、テクニカルで見ると、30日移動平均線が71万円水準で位置しており、この水準を挟んでのもみ合いといえよう。ボリンジャーバンドでは、-1σが68.5万円で推移しており、今のところ、この水準が下値支持線として意識されているが、膠着感の強い地合いといった状況にある。レンジは68万円から74万円を想定したい。

連載:「仮想通貨」マーケット実況
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文=田代昌之

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