そうめんの「薬味」は愛情そのもの

shutterstock.com

夏になると、家庭でそうめんを食べるという方は多いのではないでしょうか? 

確かに暑くてバテてると、料理に時間をかける余裕も、熱い火に向かう気力も湧かないものです。それに、子どものいる家庭であれば、夏休みには朝晩に加えお昼ご飯を作る手間も増え、「そうめんでいいよね!」って気持ちになるのがよくわかります。

「えーまたそうめん?」って言われると、ついつい引け目になると思いますが、その必要はありません。だってこんなに効率的で健康的な料理もないわけですから。

さて、そうめん。食卓には家庭ごとにそれぞれ“薬味”を用意して、つゆと薬味とでいただくものだと思います。実はここに、とても大切な方程式があるのです。

それはUMAMI + CONDIMENTS = Healthy(うま味+薬味=健康)です。

まず、つゆにはうま味が詰まっています。地域や家庭により出汁は異なるかもしれませんが、出汁と醤油(グルタミン酸)が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれます。

また以下のように、鰹節と昆布など、1種類ではなく複数の素材から出汁をとると、その相乗効果はさらに高まります。出汁がしっかりしてうま味が十分ある状態であれば、加える醤油の量は減り、塩分を抑えることができてより健康です。

・昆布(グルタミン酸)× 鰹節(イノシン酸)
・昆布(グルタミン酸)× 干し椎茸(グアニル酸)
・鰹節(イノシン酸)× 干し椎茸(グアニル酸)
・玉ねぎ(グルタミン酸)× トビウオ(イノシン酸)
・鰹節(イノシン酸)× あさり(コハク酸)

また以前、母乳にはグルタミン酸がたっぷり含まれていると紹介しましたが、それを飲んで赤ちゃんが泣き止むように、うま味には人をホッとさせるリラックス効果もあります。

そして薬味。生姜、山葵、ネギ、ミョウガ、ごま、のり、わかめ、梅干し……家庭によって色々とあると思いますが、これらの薬味は、体を整えてくれる力を持っています。例えば定番の生姜やミョウガは発汗を促進してくれますし、ごまは免疫力を高めてくれます。



薬味は「ただ美味しく食べるためのトッピング」と思いがちですが、実は字の如く、薬なんです。だから、薬味をどう用意するかはつまり、健康のことをどう考えているかであり、すなわち愛情なのかなと思います。

普段から使っている薬味を少し調べてみると、なるほどなーって発見もあると思います。ちなみに、僕は昨年、面白い気づきがありました。
次ページ > なぜ僕だけ眠くなったのか?

文=松嶋啓介

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事