彼女は6年以上、ある会社で働いていた。仕事はつらく、彼女は会社にうまく利用されてしまっていたが、福利厚生を受け続けるため辞めなかった。しかしある日、彼女が出社すると、部署全員が何の警告もなく解雇された。唇をかみ、会社の悪行を許していたことも水の泡だ。
誰しも、生活費を稼がなければならない。一部の人が惨めな職場環境にとどまってしまうのもそのためだ。医療系の福利厚生や終身雇用など、安定のために心の平安を犠牲にすることもあるかもしれない。しかし、それには価値があるのか──?
その答えはさまざまな要素によって決まるため、各要素を慎重に考慮すべきだ。警告を無視したり、精神の健康を害したりしても、仕事の安定が保証されているわけではない。ここでは、辞めるかどうかの決定打となる5つのポイントを紹介する。
1. 虐げられていないか
まず何よりも大事なことは、職場で虐げられていないことだ。あなたが何らかの形で虐げられている場合、絶対に我慢してはいけない。あなたには、人事部や、必要であれば弁護士に心配事を相談する権利がある。結果を恐れ、虐げられることを許してしまわないこと。
会社から明白な形で虐げられている場合は容易に判断できるが、一般的な不正行為は説明しづらいこともある。どちらにせよ、不快なやり取りがあった場合は文書に残し、できる限り詳細を書き出す。雇用主に対して行動を起こす場合、こうした記録を振り返る必要があるかもしれないからだ。
私は、長時間勤務を強要するさりげない脅迫から明らかなセクシュアルハラスメントまで、あらゆる問題に遭遇してきた。辞める以外の行動で状況が改善できたことはなく、報告書を提出したこともある。他者の本性が見えたときにはそれを見逃さず、常に自分を守ること。
2. 法律違反をしていないか
法律や規制は時々変わるため、どのような役割でも、通常業務で知らないうちに違法なことをしてしまう時がある。少し問題になることはあっても、大抵は丸く収まることだ。
とはいえ、自分が違法なことをしていると分かった場合は、すぐにその仕事を辞めよう。ここでも、おかしいと思うことは全て文書に残し、法的代理人を探す。リスクを取る価値は絶対にない。
私は昔、高給な仕事に就いていたとき、自分の勤める会社が米国食品医薬品局(FDA)の取り調べを受けていると知った。その直後には、自分が偽りだと知っている情報を世間に公表するよう、会社に求められていることにも気づいた。私は高い給与に別れを告げ、会社を退職したが、後悔したことは一度もない。