カナダは他の主要7カ国(G7)メンバーと共にプラスチックとの闘いを誓ったが、まだ国内で使い捨てストローの全面禁止を発表するには至っていない。英国やオーストラリア、ドイツなどの国は、使い捨てプラスチック製ストローを違法とすることを検討中だ。
製造企業もそれに合わせ、紙製ストロー製品に特化した施設の整備を進めている。紙製ストローを製造するトランセンド・パッケージング(Transcend Packaging)の営業・マーケティング担当ディレクター、マーク・バーニーは英紙ガーディアンに対し「大きな機会を見つけたので、そこに飛び込んだ」と話した。「英BBC放送ではブループラネット2が放送され、政府はプラスチック製ストローの危険性について議論を始めた。私たちは、ここに隙間市場を見出した」。
一方、プラスチック製ストローの全面禁止に懐疑的な人からは、ファーストフードチェーンのようなレストランで一般的に使用されるような飲料容器ではうまく飲めない人にとって、ストローの使用が不可欠だとの意見が出ている。
カナダの医療・公共政策評論家、アンドレ・ピカードはグローブ・アンド・メール紙に寄稿した記事で、こう指摘している。「ダウン症や認知症、まれな神経筋疾患、脳卒中の後遺症など、さまざまな健康問題を抱えた人々が、飲み物をより楽に飲むためストロー、特に曲がるタイプのプラスチック製ストローに大きく頼っている。障害のある人にとって、ストローはどうでも良いものではない。歩行補助装置を使う人にスロープが必須なように、これはアクセシビリティー(利用可能性)の問題だ」。