ビジネススクールでは教えてくれない面接のコツ5選

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コミュニケーションのツールは変化したが、人間の脳は変わっていない。ビジネススクール(経営大学院)の卒業生は、人間の心理のこの点を理解しておきさえすれば、採用面接で自分を際立たせることができる。そしてビジネススクールの卒業生らは今、他の候補者から自分を際立たせる必要性に迫られている。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは最近、企業が採用予定の経営学修士(MBA)取得者の数が減っていると報じた。ビジネススクールの新卒者を雇う予定だと答えた企業の数が、前年比で6%下落したのだ。しかし、数は減少しても、2018年にMBA取得者を採用する予定の米企業は依然として85%に上っている。

私がこうした記事を書くときに楽しみにしていることの一つは、社会人や学生から、ここで紹介したコツを採用や昇進に活用した話を聞くことだ。また、転職エージェントや人材募集中の企業幹部から、リーダー候補者に求められるものを教えてもらうこともある。こうして得た知見に基づき、ここでは夢の仕事を射止めるための面接のコツを5つ紹介する。

1. ストーリーを伝える

アリストテレスは2000年以上前に、説得の3つの構成要素を挙げた。1つ目の「エトス」は、人格と信頼性だ。履歴書や受賞歴、達成事項などは信頼性を表す。2つ目の「ロゴス」は論理性だ。候補者は、自分のスキルがどれほどその職務に合っているかを説明することで、職務に対して論理的なアピールができる。しかしアリストテレスは、3つ目の構成要素である「パソス」、つまり感情なしで説得に成功することはないと語った。

感情を伝える上で最も優れた言語的ツールは、ストーリーだ。リクルーターから「自己紹介をお願いします」と言われたら、それは履歴書にある箇条書きを一つずつ述べてくださいという意味ではない。自分の付加価値を強調するストーリーを、1つか2つ準備しておこう。例えば、特にややこしい問題をどのように克服したか、またはどのようにチームのモチベーションを上げ、できないと思われていたことを達成させたかについてのストーリーだ。

2. 企業のCEOが書いたことを全て読む

JPモルガン・チェースは毎年、MBA取得者を採用している。同社のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は今年、世界経済の現状について48ページにわたる書簡を書いている。彼は毎年書簡を書いているが、それでもダイモンは経営学専攻の学生らに対し、自分の書簡を読んだことのない人を面接したことがあると話した。

CEOが税金や貿易についてどう考えているのかを学ぶことは、候補者として自分を際立たせるチャンスだ。他の候補者は、CEOの直近の報告書を読んだことがない人ばかりかもしれない。
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編集=遠藤宗生

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