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What's Happening In The Food World

(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

世界各国のレストランやコーヒー店でプラスチック製ストローの廃止に向けた動きが広がるなか、米コーヒーチェーン大手スターバックスは7月9日、約2万8000店に上る世界中の全店で、2020年までに従来のストローの使用をやめる方針を発表した。

スタバが使用するプラスチック製ストローは、年間10億本を超える。それに代わるものとして導入するのは、リサイクル可能なプラスチック製のふたと、「代替となる素材」のストローだ。

新タイプのふたは、すでに米国とカナダの約8000店で使用されている。吸い口が一体化されており、その部分から直接飲む形状になっている。また、開発中だという新素材のストローは、紙製になる可能性が高いとみられる。

スタバは今秋から、本社があるワシントン州シアトルとカナダ・バンクーバーにある全店舗で、新タイプのふたへの切り替えを開始。その後、フランス、オランダ、英国をはじめとする欧州の各店舗に導入する予定だ。

また、同社は温かい飲み物用の容器についても、リサイクルや堆肥への転用が可能なタイプの開発を進めており、これには1000万ドル(約11億1000万円)の予算を充てている。英国では先ごろ、一部の店舗で試験的に紙コップを有料化。1個当たり5ペンス(約7円)とした。

プラスチック製禁止の影響

こうしたスタバの動きは、同社にとっていくつかの点で重要な意味を持つ。まず、冷たい飲み物が同社の売上高に占める割合は、5年前の37%から50%以上に増加している。これは、消費者が世界的に、いれ立てのコーヒーよりもスタバが力を入れてきた冷たい飲み物(アイスティーやレモネード、フラペチーノなど)を好むように変わってきているということだ。

その結果、環境問題に及ぼす影響への懸念からプラスチック製の使い捨てストローの廃止を求める声が高まるなかで、同社は今後より多くのストローを必要とする可能性に直面していた。

シアトルでは1日、米国の主要都市としては初めて、全ての飲食店・食料品店などにプラスチック製の使い捨てストローや食器類の使用を禁じる条例が施行された。違反した場合には罰金250ドルが科される。

一方、これらの使用が禁止されたことは飲食店や関連企業にとって、消費者が気に入る新製品の開発に向けた新たな機会が提供されたということでもある。

スタバは4月に発売した冷たいミルクを泡立てて上に乗せる「Cold Foam Cascara Cold Brew」にはすでに、吸い口が付いた新タイプのふたを使用している(店員によってはストローを一緒に提供している)。だが、このプラスチック製のふたは、新たな選択肢として完璧とは言えない。

ふたの内側に泡が付いてしまうことが多く、何らかの方法でそれを飲み物に混ぜて溶かさない限り、客はその泡をふたの内側からなめ取るか、ふたと一緒に捨ててしまうしかない。ただ、スタバにはまだ、完璧な選択肢を用意するまでに2年近くの時間が残されている。

プラスチック製ストローの廃止に向けた動きは、まるで分刻みで加速しているようだ。筆者が実際に見た限りでも、ここ2カ月ほどの間にボストン、ニューヨーク、ルイジアナ州ニューオリンズ、ミシガン州アナーバーなどに広がっている。世界的に名を知られる大手のスタバによる今回の決断は、その他の有名ブランドにも対応の変更を促すことになるだろう。

マクドナルドの今年の年次株主総会では、プラスチック製ストローの廃止に向けた取り組みに株主の大多数が反対した。それでもその後、別の素材を使ったストローの試験的な使用を開始している。

編集=木内涼子

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