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働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

Dusan Petkovic / Shutterstock.com

昨今、“好きなことで稼ごう”という趣旨の本がとても増えたため、「好きなことが見つからない!」と焦る人も同時に増えてしまったようです。今回はそんな「好き探し症候群」に置ける、余分な力みや誤解を解きたいと思います。

まず、好きなことやライフワークは、“あったほうが人生が豊かになる”ということは間違いないのですが、“なければ不幸です”というわけでもないです。ただ、「好きなこと」に対して、アンテナを張る、自覚的であることは、どんな時でも自分の視野を広げてくれると、僕は考えています。

それはなぜか? 例えばサラリーマンになると、どうしても日々のルーティンワークの中で、“心惹かれるもの”について、気を向けなくなってしまいます。なぜなら、自分の目標を、組織(会社)の目標そのものと同一視してしまうようになり、個人としての希望を省みる時間が減っていってしまうからです。

まずはフィルターを外すことから

きっと誰でも、子どもの頃のように時間や心のゆとりがあった時期は、好きなことがたくさんあったはずです。大人になった今、好きなことがなかなか見つからないのは、単に就活のために自分を最適化したり、時間に余裕がなくなったりすることによって、視野が狭くなってしまっただけのことです。

その状態で「好きなことで稼ごう!」とすると、今度は手軽に稼げることや、他人にアピールできることに最適化した「好き」を探してしまいます。つまり「稼ぐ」というフィルターをかけた時点で、多くの「好き」を見逃すのです。

そういった枷(かせ)を外していくために、まずは普段から「何となく心惹かれるものにアンテナを張っておく」くらいで、気楽に構えてみてはいかがでしょうか。例えば僕は、電車の中吊りや窓枠の広告をみて、クスッとくるようなキャッチコピーを見つけると、つい嬉しくなります。

ここで重要なのは、何も「じゃあ電車の中で嬉しくなることを探そう!」などと気負わないで欲しいということです。そうではなくて、ふとした時に「あ、今嬉しくなったな、俺」という瞬間を、ちゃんと心に留め、日々の優先順位の中で埋れさせずに、大切にして欲しいのです。「気づくとショートカットの子に目が行くなあ、俺」とか、「袖をまくってる男、見ちゃうなあ私」とか、そんなことでもいいと思います。

文=尾原和啓

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