「好き探し症候群」の原因と解消法

Dusan Petkovic / Shutterstock.com


拙著「モチベーション革命」でもご紹介しているのですが、仕事について、

・ご飯を食べていくための“ライスワーク”
・好きなことや生きがいである“ライフワーク”

を分けて考え、「まずはライスワークで稼ぎながら、徐々にライフワークで食べられるように理想的な割合にしていく」という趣旨のことを書きました。ただこれについて、少し伝わりにくかったかもしれないと反省しているのですが、実際はもっと滑らかでいいと思います。

極端な話、ライフワークは魂のご馳走、つまり「これがあれば楽しく生きられる」と思えることなので、それが1円にもならなくたっていいし、それで稼ぐことを無理に目指す必要もないのです。

例えば仮にサーフィンが好きだったとして、ライスワークで最低限の生活費を稼げるなら、ライフワークを最適化できるように鎌倉に引っ越すのもいいかもしれません。サーフィンをすることはお金にはならなくても、いつでもできることで、仕事へのやる気や日常の幸福度が格段に上がるのなら、それはいいバランスの取り方だと思います。

また、以前テレビ番組でご一緒させていただいた林修先生は、「僕は人に教えることが大好きってわけじゃない。だけど教えることが一番効率よくお金を稼げるし、評価もされるし、誰からもありがとうと言われる。だから効率よく稼いで、あとは趣味のライフワークを淡々と楽しんでいる」という趣旨のことをおっしゃっていました。

もちろん、ライフワークで稼げるのなら、それに越したことはありません。しかし、上記の2例のように、バランスをうまくとり、ライスワークとライフワークの両輪でやっていくのもいいと思います。一番大事な視点は、自分にとってそれが楽しいかどうか、幸せかどうか、だと思います。

連載:ポストAI時代のワークスタイル
過去記事はこちら>>

文=尾原和啓

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事