ビジネス

2018.07.13

総額80%アップ 話題のユーチューバーはいくら稼いでる?

左からダニエル・ミドルトン、リリー・シン、マーク・フィッシュバック (Photo by David M. Benett/Dave Benett/Getty Images)


動画から銀幕へ、スターの階段を上り続けるユーチューバー

カナダ出身のリリー・シン(29)は、登録者数1300万人を超える人気チャンネル「IISuperwomanII」で知られるトップユーチューバーだ。コメディ風の寸劇やコント、さらには性差別反対の硬派な主張などを面白くミックスさせた動画で人気を博している(フォーブスの「2017年最も稼いだユーチューバー」ランキングでは10位、1050万ドル)。

だが近年の活躍は、もはやユーチューブだけにとどまらない。16年、米化粧品大手スマッシュボックスと手を組んで発売した口紅「BAWSE」は、たちまちヒット商品に。さらに17年3月に出版した初の著書『How to Be a Bawse』は「ニューヨーク・タイムズ」紙の月間ビジネス書ベストセラー1位を獲得した。

ユーチューブのチャンネルを開設したのは、大学4年生だった10年。最初に投稿した動画の視聴回数は70回ほどだったが、12年までには自分の動画を収益化し、マネジャーを雇えるまでになった。

いまではハリウッド女優さながら、マネジャーや広報担当者がつく。

「ときどき彼らを見て、あなたたち本当に私についてくるつもりなの、って思うの」とシンは笑う。

今年は初の本格的な演技も見られそうだ。有料ケーブルテレビ大手HBOが手掛けるSF小説『華氏451度』の映画化作品で、ブロガー役を演じている。

シンは映画やテレビ界での将来を考える一方、自身のユーチューブ視聴者に向けた動画制作も継続するつもりだ

「私はデジタルの力を信じているけど、両方の分野にかかわっていきたい」

人生のどん底からビリオネアへ「華麗なる転身」

インターネット上の彼のニックネームは「Markplier(マークプライヤー)」。サバイバルホラーやインディーゲームの実況配信を行うユーチューバーだ。奇抜でコミカルな話しぶりが人気で、2017年にフォーブスの「トップ・インフルエンサー」ゲーム部門ランキングで1位に輝いた。

ハワイ出身で、本名はマーク・フィッシュバック(28)。ユーチューブのチャンネルを開設した12年、彼はまさに人生のどん底にいた。

「彼女と別れ、仕事をクビになり、副腎に腫瘍ができてしまったんだ」

そんなときに入り込んだのがゲームの世界。ゲームクリエイターが配信する動画を見て、動画制作のコツを身につけ、どうすれば自分の動画を印象付けることができるのか考えたそうだ。

当初は8カ月で数十ドルしか実入りがなかったが、その後、14年までにいくつかの動画が何百万人というユーザーを引きつけた。

「ゲームをやりながらできるだけエンターテインメント性を打ち出そうとしている」と語る彼は最近、コメディアンとしても活躍の場を広げている。16年にはハリウッドの有名エージェンシーのWME(ウィリアム・モリス・エンデヴァー)とパートナー契約を結び、17年には他のユーチューバーらとともに世界ツアーを行い、寸劇などを披露した。

今後の予定については語ろうとしない。

「今までも目標を掲げたことなんてないんだ。映画スターになろうと思ってもいない。ただクールなものを作って、毎日を楽しく過ごしたいだけだよ」

文=マデリーン・バーグ、クレア・オコナー

この記事は 「Forbes JAPAN 「富を生み出す人」の秘密」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事