パフォーマンスを最大化する「戦略的休息」のとり方

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「休息をとる」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか?

週末に家族と出かけること、長期休暇に海外に出かけること、友人と温泉やキャンプに行くこと、大きなプロジェクト後に寝溜めすること、マッサージに行くこと等々、「休息のとり方」はたくさんあると思う。

いろいろな「休息」があるし、頻度も人によって違うと思うが、そもそも休息とは何のためにとるものなのだろうか?

私が個人的に行ってきたビジネスパーソンへのインタビューを通して見えてきたことは、「休息=しっかり休んでパフォーマンスを生み出す土台を作るもの」ではなく、「休息=仕事の報酬としてとるもの」と捉えている人が非常に多いということだった。

例を挙げるとこんな感じだ。
・仕事がようやくひと段落したから、少しだけ休息をとる
・月曜〜金曜だけでなく週末も頑張って働いたから、日曜だけはゆっくり寝る
・数カ月のプロジェクトが終わったから、次のプロジェクトまで羽を伸ばす

多くの人にとってはこれが普通で、昔からこうやってきたと答えるだろうが、はたして本当にこの休息の取り方で良いのだろうか?

私は、そうではないと考える。根本的に、仕事でパフォーマンスを上げるためには、何よりもまず疲れをとってリラックスした状態を作る必要がある。

試しに、身体的に疲れ果てた状態(例えばプロジェクトが佳境で休む間もなく、残業がどんどん重なり、睡眠が短くなる状態)を思い浮かべてほしい。もしくは精神的に追い詰められた状態(上司からプレッシャーをかけられ続け、納期が明日に迫っている焦りがある状態、けど周りにサポートしてくれる人がいない状態など)でも良い。

極端なシチュエーションかもしれないが、このような状態の中で落ち着いて物事を受け止め、新たな選択肢を生み出し、良い意志決定ができるだろうか。おそらく、難しいだろう。その状態では、パフォーマンスを上げられるようなサイクルをつくり出すことはできない。

多くの研究結果からも、自分自身の実体験からも、パフォーマンスを上げるためにまず「心身ともに良い状態を作る」ことが大事であることがわかっている。パフォーマンスを上げる・保つためには、身体的な疲労を意識して軽減させる必要があるし、ネガティブな感情や精神的な重圧などにも常に対処している必要がある。
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文=稲墻 聡一郎

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