まず注目したいのが、クオが指摘する「デュアルSIM」の採用だ。2枚のSIMを挿入できるデュアルSIM機能は既に多くのアンドロイド端末に搭載され、海外旅行の際に現地キャリアのSIMを使用できる便利な機能として知られてきた。
英「フィナンシャルタイムズ」の報道によると、アップルが同社の端末をデュアルSIM対応にするのは、史上初のことだという。さらに、今回のデュアルSIMはDSDS対応で、2回線の着信を同時に待ち受けできる仕様になるという。ただし、クオはデュアルSIMが搭載されるのはiPhone X Plusになると述べており、他の端末に関しては言及していない。
さらに、気になる価格について。アップルが次期iPhoneの価格を大幅に引き下げると最初に予測したのがクオで、彼は今年1月の時点でそう述べていた。その後の調査でクオは、アップルが新たに市場に投入するiPhone X Plusの価格が、昨年のiPhone Xと同じ999ドルになると予測している。
また、2世代目のiPhone Xの価格は昨年よりも引き下げられ、最も安価で販売される廉価版iPhone Xの価格は700ドルになると述べている。筆者はこの廉価版モデルがシンプルに「iPhone」と名づけられるとみているが、前年度のPhone Xを300ドルも下回る価格は、大きなアピールになるに違いない。廉価版Phone Xは機能面でかなり妥協したものになりそうだが、この価格なら納得する人も多いだろう。
もう一つの注目ポイントは、アップルがかつてiPhone 5Cで行なった「カラーバリエーション」戦略の投入だ。クオによると廉価版iPhone Xには、複数のカラーバリエーションが用意されるという。一般的なスペースグレイに加え、ホワイトやブルー、レッド、オレンジのモデルが発売される見通しだ。
別の著名アナリストのSteve Hemmerstofferも同様なリーク情報を入手しており、彼のレポートでは、さらにイエローやピンクの端末も用意されるという。
また、2世代目のiPhone Xと大型版のiPhone X Plusは、3色が用意されるとクオは述べている。スタンダードホワイト、ブラック(スペースグレイ)、ゴールドの3つになるという。
昨年のiPhone Xは高価格が災いし今ひとつ売上が伸びなかっただけに、今年の新端末は低価格とカラーバリエーション、さらにデュアルSIM採用(iPhone X Plusのみではあるが)の3ポイントで、高い評価を得ることを期待したい。