AIの「ワードプレス化」目指す、スウェーデン企業の野望

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巨大企業にAIを独占させるな

ユーザーは構築したニューラルネットワークを自社のアプリやウェブサイトに統合し、Peltarionのサーバ上で動作させることができる。Peltarionは、グーグルのクラウドサーバを利用している。

Peltarionを利用するバイオテックスタートアップは、患者のMRIデータから腫瘍を発見・分類するためのニューラルネットワークを構築した。これにより、従来は数時間掛かっていた作業が、ミリ秒単位にまで短縮できたという。

また、あるメディア企業は、AIの専門知識を持つ社員がいないにも関わらず、Peltarionを使うことでユーザーの気分に応じて音楽をタグ付けする画像認識システムを開発したという。さらに、あるエネルギー会社は風力発電の発電量に影響する天候の変化を予測することができるニューラルネットワークを構築した。

Crnkovic-Friisは、2004年にPeltarionを友人と共同で設立した。同社の投資家には、スウェーデンで強大な影響力を持つヴァレンベリ(Wallenberg)家が含まれる。長年、2名だけで事業を運営してきたが、この2年で社員は50名に急増したという。

AIソフトウェアは、数社の巨大なテクノロジー企業に独占されるべきではないとCrnkovic-Friisは指摘する。「テクノロジーが良いことのために使われるためには、民主化が必要だと我々は確信している」とCrnkovic-Friisは語った。

編集=上田裕資

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