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「仮想通貨」マーケット実況 

(Photo by Chesnot / Getty Images)

先週末からここまでのビットコイン価格は、70万円台を挟んだ小動きとなっている。国内仮想通貨取引所に行政処分が入ったタイミングで、65万円水準まで下落したが、その後は下げ渋っており、74万円台まで値を戻している。ただ、戻りのスピードは鈍く、30日移動平均線(73.7万円)を一気に上回るような強い動きは観測されていない。

筆者は、株や為替など伝統的金融資産の下落が背景にあると考える。

株や為替といった伝統的金融資産とビットコインをはじめとする仮想通貨との関係は、ビットコインが誕生したばかりの2010年前半は強い負の相関がみられた。国が発行する通貨に対する不信感が高まった際、資金の避難先として既存の金融資産とは全く異なる仮想通貨を選ぶ投資家が存在したわけである。2010年前半に発生した欧州債務危機でのキプロスやギリシャが代表的な例だ。

しかし、2017年にこの相関関係は一変する。日本のみならず世界的に仮想通貨への関心が高まったことから、リスクマネーが仮想通貨市場に流入。世界的な株高で投資家のリスク度合いが高まったことで、NYダウや日経平均など株価指数とビットコインは正の相関を強めることとなった。

足元の市場を確認すると、リスクマネーが向かう代表的な金融資産である株(とりわけ日本株)が下落しているほか、新興国通貨も対ドルで厳しい下げを見せている。米国利上げの影響で中国人民元が売られており、中国株(上海総合指数)が大幅に下落していることが要因と見られているが、まだ明確な株安の原因は確認できていない。

足元のビットコインの反発の弱さは、こうした軟調な伝統的金融資産の動きが投資マインドを冷やしているのではないかと推測する。

また、ビットコインは、上記のように積極的なリスク選好の地合いでもないほか、テクニカルでも売買できない環境にある。7月に入って、30日移動平均線を上回る場面がみられたが、右肩下がりの移動平均線を少し上回ったに過ぎず、反発力は弱い。出来高を伴って一気に上回るくらい強い動きがなければ、この反発に乗ることはできないだろう。

もっとも目立った下落材料にも乏しいことを考慮すると、ここから売りポジションを構築するのもリスクがある。右肩下がりの30日移動平均線を挟んでのもみ合い相場を想定。レンジは68万円から76万円とする。

連載:「仮想通貨」マーケット実況
過去記事はこちら>>

文=田代昌之

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