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2018.07.07

賛否両論の「避妊ブレスレット」が3000万ドル調達

妊娠可能期間を予測できるブレスレット(Photo courtesy of avawomen.com)

スイスのメディアデバイススタートアップAva が、btovやSVCといったヨーロッパのVCから3000万ドルを調達した。Avaが販売するブレスレットは生理学的な機能を計測することで、妊娠可能期間を予測できるという。Avaはすでに新たな資金調達のためのプランももっている。現在の使用方法に加えて、避妊のためのツールとしてブレスレットを売り出そうとしているのだ。しかし、これには懐疑的な医師もいる。

「われわれは顧客から、自分の体をもっとよく知りたい、そして妊娠可能期間がいつなのかを理解したいというたくさんの要望を聞きます」。Avaの共同創業者兼CEOのパスカル・コーニングは言う。

「世界中の出産適齢期にある女性にとって価値のあるプロダクトをつくる、という私たちのビジョンに投資をし、会社を発展させていくことにフォーカスしていきます」

Avaは妊娠可能期間をモニターするためにブレスレットを使っている女性と、月経周期が不規則な女性たちについてもリサーチを始めている。コーニングは販売数は明かさなかったが、Avaを使った女性の少なくとも1万人が妊娠したと言う。

ジョージ・ワシントン大学の産婦人科医で米産科婦人科学会共同会長のナタニエル・デニコーラは、Avaの主張には懐疑的だ。Avaが使っているマーカーは「ファティリティ・アウェアネス・メソッド(月経周期や基礎体温の状態を参考にして避妊をする方法)として妥当だと認められていません」とデニコーラは言う。

「Avaは生理期間の体温変化によって起こるわずかな心機能の変動をトラッキングしており、これ自体は理にかなっていないわけではないが、それでも「既存のマーカーとは多くの違いがあります」

デニコーラは、避妊のためにこのブレスレットを使うことに対してさらなる心配をし「心機能をモニタリングしたりアプリを使ったりするだけで妊娠のリスクが劇的に変わるとは考えていません」と述べた。

典型的な、そして完璧ではない、ファティリティ・アウェアネス・メソッドでも、1年間で25%の確率で妊娠をする可能性があると彼は言う。
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翻訳・編集=宮本裕人

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