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里山に住む「ミニマリスト」のDIY的暮らし方

東京・神楽坂から、長野・富士見町に移住をして4年ほど経つが、よく聞かれるのは「移住して困ったことはないか?」という質問である。

「特にない」と答えると、「大きな病院が近くにないとか、仕事とか……」と続く。私が暮らす富士見町には総合病院があって、自宅から車で10分ちょっとの距離である。首都圏で道が混んでいたりするほうが、到着までによっぽど時間がかかるのではないかと思う。そもそも、病院にはお世話になりたくないので、大きな病院が遠かったとしても何ら不安はない。

次に聞かれる「田舎の仕事」だが、これがとても厄介な質問なのである。いくら話しても話が噛み合わないことが多い。仕事というものをどう解釈するかによって、田舎の仕事と働き方に対する印象は大きく異なるからだ。



「地方の人は地方公務員として役場に勤めるのが花形で、田舎には会社がないから仕事がないでしょう?」と言うのだ。「工務店とか整備会社とか工場とか、小さな会社は結構あるよ」と私が言うと、「やっぱりそういう仕事だよね」と、面倒な展開になる。特に、私のようなフリーランスに、仕事なんてないと思われがちだ。

地方といってもいろいろなサイズ感があるけれど、確かに、いわゆる田舎には、都市部のように「デザイナー募集」「ライター募集」「カメラマン募集」といった具体的な職種の募集があるわけではない。

でも、ありがたいことに、仕事はたくさん頂けている。人が少ないから、むしろ引っ張りだこみたいになっている。信頼というものは、一度つくられるとそうそう崩れることはない。都市部からの仕事もなくならない。むしろ増えるように思うくらいだ。つまり本来的には、仕事はつくるものということなのだと思う。

何を「縁」として働くか。企業との「縁」の中で働くのか、それまでの人間関係や培ってきたスキルなど、自分自身や自分と社会とのつながりを「縁」として働くか。

都会では前者の人がほとんどだが、田舎では、後者の人の方が仕事はある。仕事が向こうからやってくるのだ。

文=増村江利子

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