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 過去1年半、ワシントンの有力シンクタンクにおいて、世界中の国々の行動、特にアメリカとどうかかわるかについて考える機会に恵まれた。この観点から言うと、現在の日本は、3つの点で心配である。それは、「内向き志向」「孤立化」「継続性・安定・前例へのこだわり」である。確かにここ1、2年で日本は変化し始めている。しかし、まだその変化が十分に伝わってこない。

 第一に、内向き志向。ここ15~20年、日本は内向きになり、日本人、とりわけ日本の若者を留学や仕事で海外に送り出そうとしてこなかった。よく言われるように、1997年に米国に留学していたのは日本人が一番多く、4万7,000人を超えていた。しかしながら、2012年には、留学生数は1万9,000人にまで減り、順位も1位から7位にまで下がり、中国、韓国、インド、台湾その他の国々に抜かれてしまった。第8位はベトナムだが、急速に伸びており、すぐに日本を抜くだろう。
 最近では、留学しようと応募しても、倍率の高い大学に日本人が以前ほど受からなくなっている。これは、日本人の応募者が、20年前と比べて能力的に劣っているからではない。他のアジア諸国、特に中国、インド、韓国、むしろシンガポールなどからの応募者が、日本人の応募者と比べて、英語力、成績、業績、成功への意気込みといった点で、以前より格段に力をつけているからだ。

 第二に、孤立化。日本の政治家による歴史問題についての不適切な発言や、靖国神社の参拝等が報道されるたびに、「日本は間違った歴史観を持っている」と主張する人々の見方が正しいとの印象を与えてきた。
 例えば、2013年6月にワシントンD.C.で開催された、韓国のあるシンクタンク主催の会議でも、韓国代表団は、アメリカと韓国は、安全保障、経済、教育、文化面で親密な関係にあるだけではなく、「韓国に地理的に近い“ある国”とは違って、共通の歴史観をもっている」と述べた。韓国の国会議員も、「アメリカと韓国だけでなく、中国も共通の歴史観をもっているが、近くの“ある国”はそうではない」と主張していた。
 この「共通の歴史観」という概念を繰り返すことで、日本への批判者は、日本を孤立化させようとしている。歴史の解釈については、第二次世界大戦の勝者の見方が一般的に定着しており、敗戦国の見方を支持する国は少ないため、「戦後レジームからの脱却」という日本の一部の考え方は、日本では支持者がいるかもしれないが、日本の外では、支持する人はあまりいない。こうした歴史観に固執することは、日本を国際社会から孤立化させようとしている国のワナにはまるリスクをはらんでいる。

 第三に、継続・安定・前例へのこだわりである。これら3つの原則にこだわることは、冷戦期のように、世界が整然として秩序立っており安定していた25年前には、日本の競争力の源泉であった。しかしながら、1989年11月のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連崩壊、1990年代からのインターネット拡散の後では、これら3つは、変化、改革、前進に対する阻害要因になってしまった。シリコン・バレーは、“古い”人々、“古い”テクノロジー、“古い”考え方ではなく、非連続、破壊、イノベーションによって繁栄しているのである。

 日本の経済界だけではなく、日本の政治、政府、マスコミ、教育システムも、非連続、破壊、イノベーションを必要としている。一例を挙げれば、日本のエスタブリッシュメント(自民党、役所、財界、マスコミ)は、アメリカの民主党より共和党を重視し続けているが、これは、米国の人口動向が、明らかに民主党に有利になっている現実に追い付いていない。
 日本の年配男性だけに現状の打破を期待するのは難しい。その代わり、日本に求められている変化を引き起こしそうなのは、女性、若者、外国人だ。こうした多様な人材の活用が、日本復活の鍵である。

グレン・S・フクシマ

 

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