フードスタイリストやレシピ本の作者として長年活躍してきたプタックは、イーストロンドンに構える人気の有機ベーカリー、バイオレット・ケークス(Violet Cakes)で、出身地である米カリフォルニア州のクールさと英国の伝統的レシピを融合させたケーキを作っている。
インタビューに応じたプタックは、ロンドンのブロードウェイ・マーケットに出店した小さな露店から始まったビジネスや、メーガン妃とヘンリー王子のウエディングケーキ作りの依頼を受けた時などの経験を語ってくれた。
菓子職人のクレア・プタック(Photo by Hannah McKay - WPA Pool /Geetty Images)
─夕食会で隣に座った人に、ご自身の仕事をどう説明しますか?
それは本当に気分次第。菓子職人と言うときもあれば、ベーカリーを所有していると言うときもあるし、ケーキ店と言うこともある。レシピ本を書いていると言うことも。話す相手をよく見て、会話に花が咲くような、あるいは礼儀正しく相手のことに話題を向けられるような短い答え方をするようにしている。
─ロンドンではブティックベーカリーが人気です。その中でもバイオレットの特徴とは?
開放型のキッチンが、常に人々の感心を呼んできた。こんなに小さな空間から生み出されるとは信じられないものを作っていることが、大きな魅力になっていると思う。また、上階の着席スペースは落ち着いていて光にあふれ、とても創造的な空間。シナモンパンの焼ける香りの中、多くの素晴らしいものが生まれていると思う。
─期間限定の露店から実店舗を持つまでの成長の裏にあった重要な瞬間や決断は?
露店は元々、私の創造力発散の場として始めた。私はキッチンや、大規模な広告活動向けのフードスタイリングの分野で働いていたが、充実感を得るために何か自分自身のものが必要だと感じ、菓子を焼いてマーケットで売り始めた。
反響は驚くほど大きく、自分の店を開かないという選択肢はなかった。顧客からの要望で勢いを得ていたし、私は競争心が強いので。他のブランドが成長し、ビジネスを確立しているのを見て、自分もそうなるべきだと感じ血がたぎった。そうして本格的にビジネスを始め、店の場所を見つけた。
─夕食パーティーに持ち寄るお気に入りのケーキとその理由は?
ケーキは食後のデザートとしては合わないと思う。私は、午後のお茶の時間に食べるのが好き。なので、持ち寄るのはいつも、旬のフルーツを使ったデザート。フルーツガレットやアイスクリーム、シャーベット、あるいは私のお気に入りであるグラニータ(イタリア風のかき氷)など。