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2018.07.04

ロイヤルウエディングのケーキを作った米職人 独占インタビュー

ヘンリー王子(左)とメーガン妃(右)(Photo by Jane Barlow - WPA Pool/Getty Images)


全ての焼き菓子に有機食品を使われていますが、それが重要な理由は?

土地を大事にせずハチを守らなければ、私たちは死んでしまう。ただそれだけのこと。

カリフォルニア出身のロンドン市民として、カフェ文化やビジネスの中で気づいた大きな違いは?

最大の違いは、始業時間が非常に遅いこと。米国では、朝6時半や7時には通勤客向けに店を開ける。ここでは朝8時前に来る人はいないし、8時に開く店を見つけることさえ困難。私の店の開店は8時で、土日は9時半。ロンドンの人は朝をゆっくり過ごしている。


ウエディングケーキ(Geetty Images)

英王室のウエディングケーキを作ることになったときのことを教えてください。

ケンジントン宮殿で、メーガン妃から単刀直入に、ケーキを作ってほしいと言われた。決断力がある人には本当に敬意を感じる。私はニッコリして、すぐに仕事に取り掛からなくちゃ、と思った。

この大役はご自身にどんな意味を持っていましたか? 今後のキャリアへの影響は?

魅力的で目の高いゲストのために自分の愛することをすることほど、意義のあることはない。自分が最も得意とすることを、自分の作ったスタイルでやるように頼まれた。私とメーガン妃は、持続可能性や生い立ち、季節や美的センスなど、多くの価値観を共有している。

私は王子夫妻の大ファンだし、常に2人に感銘を受けている。この出来事は大きな名誉だった。キャリアについてはまだ分からない。私は黙々と熱心に仕事を続けるだけ。

ケーキのデザインや味、材料はどうやって選びましたか?

デザインは、夫妻の協力の下で考案した。伝統的ではないものを作りたかった。金箔の王室のケーキスタンドや大皿を使ったのは、既に王室が持っていたものを使いたいという思いから生まれたもの。この小さな工夫がとても気に入ったし、ピエス・ド・レジスタンス(主要素)となった。

もちろん私流の花の使い方も、デザインの鍵となった。ケーキの味は、この時期にぴったりのもの。5月末の英国はエルダー(ニワトコ)の木に花が咲き、空気は酔うような香りで満たされる。2人の味のセンスは抜群で、この味に決まった。

サンドリンガムにある英王室の別邸から、自家製エルダーフラワーコーディアルを提供するとの申し出があった。こうした極上の材料を使えるのは素晴らしいこと。もちろん、5月末にぴったりの、イタリア・アマルフィ海岸産スイートレモンも使わない手はなかった。

ウエディングケーキを焼く上で、あわや大惨事という出来事はありましたか?

私たちは入念に計画し、たくさん練習して、晴れの舞台に備えていた。私や固い絆で結ばれたスタッフにとっては、本当に素晴らしい、人生が変わるような経験だった。

編集=遠藤宗生

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