史上最悪レベル「2億3000万件」の個人情報流出か、米企業

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2017年に発生した米国の消費者信用情報サービス「Equifax」のハッキング事件では、最大1億4300万人のデータが漏洩したことが発覚した。そして、先日明らかになったフロリダのデータ企業「Exactis」のケースでは、これを超える膨大な件数の個人情報が危険にさらされていたことが分かった。

Exactisのサーバーでは、3億4000万件以上の個人データが誰でもアクセス可能な状態で放置されていた。セキュリティ専門家のVinny Troiaは「Shodan」と呼ばれるツールを用いて、この事実を発見した。

Exactisは同社のウェブサイトによると、「35億件にのぼるデータの貯蔵庫を持つ、世界最大規模のマーケティング企業で、企業や個人の情報のアグリゲーションビジネスを行なっている」という。Troiaによると、放置されていた個人情報は氏名や電話番号のみにとどまらず、性別や子供の有無、ペット、喫煙か非喫煙かといった多岐に渡る内容が含まれていた。さらに、宗教や趣味など非常にディープな個人情報が記されたものもあったという。

クレジットカード情報や収入に関する記述はなかったというが、これは非常に重大な個人情報漏洩事件だ。このデータがサイバー犯罪者の手に渡れば、非常に巧妙なフィッシング詐欺に用いられる可能性もある。Troiaによると、特定のファイルに2億3000万人分の個人情報が格納されており、それとは別に1億1000万社の企業情報も見つかったという。

Troiaによると、データは誰でも閲覧可能な状態で放置されていたという。「WIRED」のAndy Greenbergの取材に対し、Troiaは「米国民の大半のデータが含まれていても不思議ではない」と述べている。

事態が何よりも深刻なのは、Troiaが発見する以前にこのサーバーの存在を知っていた人物がいた可能性だ。その場合、膨大な個人データが悪意ある人物に収集されてしまった可能性は非常に高い。

筆者は既にExactisに対しコメントを求めるメールを送信した。反応があり次第、ここにその内容を追記したい。

編集=上田裕資

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