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Mano Kors / shutterstock.com

ウォルト・ディズニーは6月20日、米21世紀フォックスに新たな買収提案を行なった。ディズニーは現金と株式を組み合わせ、フォックスの映画・テレビ事業の大半を713億ドル(約7兆8000億円)で買収したい意向だ。

一方でディズニーに対抗する形でコムキャストもフォックスに650億ドルで買収提案を行なっており、金額面のみで見ればディズニーが有利なように見える。しかし、ここで注目すべきは、現状でフォックスとディズニー、コムキャストの3社が共同で支配権を握る「Hulu」の“親権争い”だ。

今後、米政府が独占禁止法への抵触の懸念から、フォックスにHuluの持ち株の譲渡を禁止したならば、今回の買収は流れる可能性もある。Huluの株主構成は現在、ディズニーとフォックス、コムキャストが30%を均等に保有している状況だ(残りの10%はAT&T)。つまり、フォックスの持ち株30%を入手し、60%を獲得した陣営が今後のHuluの支配権を握ることになる。

ストリーミング分野で拡大を狙うディズニーとコムキャストにとって、Huluはぜひとも傘下に収めたい企業だ。ディズニーは2019年に自社のストリーミング事業を立ち上げ、ネットフリックスに対抗しようとしている。コムキャストも苦戦中のストリーミング事業「Watchable」を立て直したい考えだ。

ただし、収益面を考えるとHuluへの投資は安全な賭けではない。Huluはオリジナルコンテンツへの投資がかさみ、昨年は10億ドルの損失を出したと伝えられる。しかし、Huluが製作した「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」は昨年のエミー賞5部門を受賞し、国内外で高い評価を得た。他にも「The Looming Tower」などの人気ドラマを次々と送り出している。

また、月額40ドルでTVチャンネルを視聴できるHuluの「ライブTV」は80万人の会員を獲得しており、今後のさらなる会員数増も期待できる。調査企業「UBS」はTVストリーミング市場におけるHuluのシェアが、現状の13%から2022年には19%に伸びると試算している。一方でベライゾンも年内にHuluと提携を結びたい意向を明らかにしている。

編集=上田裕資

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