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I write about Uber, the sharing economy and startups.

Karl Sonnenberg / Shutterstock.com

今から1年前、バードという言葉を聞いて人々が思い浮かべるのは鳥以外になかった。しかし、電動スクーターのシェア企業「バード(Bird)」は今やシリコンバレーで最もホットなスタートアップになりつつある。

ベンチャーキャピタル「CRV」のSaar Gurは次のように話す。「彼らがやろうとしていることは、新たな移動の形を提案していくことだ」

カリフォルニア州ベニスビーチに本拠を置くBirdは先日、3億ドルの新たな資金調達を行なったと発表した。セコイヤキャピタルが主導した今回のラウンドで、同社の企業価値は20億ドル(約2200億円)と評価された。創業1年のBirdの累計資金調達額は4億1500万ドル(約460億円)に達している。

Birdの利用にあたり、ユーザーは専用アプリで周囲にあるBirdのスクーターを検索し、車体のQRコードをスキャンして乗車を開始する。料金は基本料金の1ドルに加え、15セントがマイルごとに加算される。利用者は目的地に着いたら、通行の邪魔にならない場所にスクーターを駐めるよう求められている。

一方で配車サービスの「Lyft」は6月27日、新たに6億ドルを「Fidelity」から調達したとアナウンスした。FidelityからLyftへの出資額はこれで8億ドル以上に達した。今回のラウンドでLyftの企業価値は151億ドルに達し、昨年の夏から約2倍となった。

Birdの評価額の高まりの背景には、投資家たちのFoMO(フォーモと発音。fear of missing outの意味)と呼ばれる「取り残されることの恐怖心」があるとアナリストのMike Ramseyは話す。しかし、より大きな視点から見るとこれはアセットタイプのビジネスモデルから、継続課金型のビジネスモデルへのシフトチェンジだという。

「ライドシェアビジネスが成長するなかで、投資家らは継続的に課金できるシェア型モデルにより大きな可能性を見出すようになった」というのがRamseyの見方だ。

「スクーターを販売した場合、得られる対価は数百ドル程度だが、ライドシェアビジネスなら1台で1000ドルを生み出すことも可能だ」

Birdの創業者でCEOのTravis VanderZandenはかつて、Lyftとウーバーの2社に勤務した経験を持つ。彼はこれまで誰も思いつかなかった「電動スクーターのレンタル」という新たな市場を創出した。

今ではウーバーやLyftも電動スクーター市場に参入し、企業価値30億ドルを誇る中国の「Ofo」も米国でこの市場に乗り入れようとしている。電動スクーターのライドシェアを立ち上げるにあたっては、巨額の資金が必要だ。まだ赤字のBirdが競合に先駆けて、資金調達を成功させたことは大きな意味を持つ。今から10年前のウーバーやLyftの状況を考えてみれば、彼らが正しいことは明らかだとGurは話す。

ウーバーはLyftの5倍の資金を調達したが、Lyftを完全に引き離したとは言い難い。Lyftは米国のライドシェア市場で35%のシェアを握っており、2017年1月当時の22%から大きくシェアを伸ばしている。

Gurによると次世代のモビリティ市場を開拓していくのはBirdのような企業だという。さらに、この市場には新たな勢力が参入し、UberやLyftを脅かすことになる可能性もある。

「この分野のゲームはまだ始まったばかりだ」とRamseyは話した。

編集=上田裕資

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