ビジネス

2018.07.02 15:00

元ヴィクトリアズ・シークレット社員が放つ「新時代の下着」


ポップアップストアで全米をまわる

今年1月、ライブリーはそれまでニューヨークを中心に行ってきたポップアップストアの開催を全国に広げる試みを開始した。1カ所にかけられる費用は最大1万2000ドル(約133万円)で、そこには会場のレンタル料や設営費の他にスタッフの旅費や食費も含まれる。全米ツアーの最初の地となったテキサス州ダラスでは、グラントたちは黒字を期待していなかったにもかかわらず、100%以上のROI(マーケティング投資利益率)を上げることができた。

ポップアップストアをセールス会場とは異なる「体験の場」にするために、グラントたちは様々な工夫を凝らしている。店舗の中は、白い壁に木の棚や緑の観葉植物が映えるナチュラルで開放的な空間だ。そして、そこに並ぶブラジャーは、全品35ドル(約3870円)。この価格設定には、来店者に値段以外の要素に意識を向けてほしいというグラントの狙いがある。

また、開催地ごとに地元のスモールビジネスと組み、地元の文化を取り入れたイベントを企画している。たとえば2カ所目のテネシー州ナシュビルでは、ミュージシャンを呼んでライブを行った。

「ポップアップストアは毎回がベータ版のようなもの。その都度学んだことを、次の店舗につなげている」とグラントは言う。今後はシカゴ、アトランタ、ポートランド、デンバー、ロサンゼルスなどで展開する予定だ。現在、ライブリーには10万人以上のフォロワーと約2万人のブランドアンバサダーがいる。

編集=海田恭子

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