マネー

2018.07.05 17:00

世界初の「仮想通貨」長者番付 富を得たパイオニア19人



7位 マシュー・ロスザック(左)、9位 ブロック・ピアス(右)

7. マシュー・ロスザック
(Bloq共同創業者、タリーキャピタル創業者)
─仮想通貨資産:9億〜10億ドル

ロスザックが初めてICOに参加したのは2013年。ICOという言葉すらなかったころから、マスターコインやファクトム、メイドセーフなどの仮想通貨を購入していた。IT起業家、ベンチャーキャピタリストとして活躍していた経歴もある。

13年、サンフランシスコを拠点とするブロックチェーンキャピタルの初のファンドに出資。自己資本で設立したタリーキャピタルは、コインベースやクラーケン、BTCCなどの大手仮想通貨取引所にも投資してきた。ブロックチェーンの熱烈な信奉者で、リチャード・ブランソンやビル・クリントン元大統領に初めてビットコインをプレゼントしたのはロスザックだった。

8. アンソニー・ディ・イオリオ(イーサリアム共同創業者、ジャックス、ディセントラル創業者)
─仮想通貨資産:7億5000万〜10億ドル

ディ・イオリオは家業の住宅建築業などの経営に従事していたが、金融危機を契機に経済学に触れ、「お金とは何か」を追求。仮想通貨に情熱を抱くようになった。「ビットコインのコンセプトはすぐ理解できた」という。数十万ドルをイーサリアムの開発資金につぎ込む一方で、クアンタム、ヴィチェーンなどの仮想通貨にも投資。初期段階で投資し、成功後に新たな通貨へ投資するのが彼の戦略だ。

9. ブロック・ピアス(ビットコイン財団会長、ブロックワンのアドバイザー)
─仮想通貨資産:7億〜10億ドル

ピアスはエンターテインメント事業を通じて仮想通貨に出会った。元子役のピアスは17歳にして「ユーチューブ」の先駆けと言われるデジタル・エンターテインメント・ネットワークを共同設立。熱心なゲーマーだったピアスは2000年代、オンラインゲームで仮想通貨取引を行う企業を設立。

中国で数千人ものゲーマーを雇い、テレビゲームのプレーで賞品を集めさせ、それを世界中のゲーマーに売って現金を得る仕組みをつくった。その後、仮想通貨企業の支援に参入。出資した企業には、マスターコイン、ブロックチェーンキャピタル、コインベース、イーサリアム、テザー、ビットフューリーや、いま話題のブロックワンがある。

10. マイケル・ノボグラッツ(ギャラクシーデジタル CEO)
─仮想通貨資産:7億〜10億ドル

ノボグラッツが仮想通貨への投資を始めたのは2013年。15年にはフォートレス・インベストメント・グループを退社、仮想通貨に集中することにした。トレーダーとして儲けるためだ。現在の仮想通貨は「バブル」。はじける前にできるだけ利益を上げることを自身の目的にしている。仮想通貨取引による利益は、カナダでの上場を目指すギャラクシーデジタルに入ることになっている。

11. ブレンダン・ブラマー(ブロックワン CEO)
─仮想通貨資産:6〜7億ドル

アイオワ出身のブラマーは弱冠14歳で仮想通貨の旅を始めた。オンラインゲームのアバターや魔法の武器の販売などを経て、2016年にダン・ラリマーとブロックワンを設立。同社のトークンEOSの発行にはブロック・ピアスがアドバイザーとして加わっている。ブロックワンはブロックチェーンプラットフォーム「EOS.IO」を開発。EOSはこれまでに10億ドル以上を調達、世界最大のICOとなった。

12. ダン・ラリマー(ブロックワン CTO)
─仮想通貨資産:6億〜7億ドル

バージニア工科大卒で軍事産業出身のラリマーは、兵器ではなく人に生きがいや財産を与えられるシステムをつくりたいと、2013年、コミュニティによって運営される仮想通貨取引所「ビットシェアーズ」を創設。16年には新たにブロックチェーンベースのSNS「スティーミット」を設立した。スティーミットの通貨「スティーム」はここ数カ月で急騰し、その時価総額は一時14億ドルに達した。
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文=パメラ・アンバー、エンジェル・オウヤン、グレイス・チュン、ジェフ・カウフリン、アレックス・コンラッド、ローラ・シン、ネイサン・バルディ 翻訳=岡本富士子 / パラ・アルタ

この記事は 「Forbes JAPAN 「富を生み出す人」の秘密」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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