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I've won several journalism awards, and my writing on travel has appeared in The Los Angeles Times,

Matej Kastelic / Shutterstock.com

航空便の遅れやキャンセルにより空港で立ち往生してしまい、機内持ち込み荷物を枕にしてターミナルで寝た経験がある人はどれくらいいるだろう? こうしたよくある不運に見舞われた旅行者に同情することなく、施設内での睡眠を禁止した空港が、ロンドンにあることを発表した。同空港では、監視員が睡眠中の旅行客を起こして回る。

この空港は、ロンドン中心部から急行電車「スタンステッド・エクスプレス」で45分の距離にあるロンドン・スタンステッド空港(STN)。2017年の利用客は過去最多の259万人となったが、モスクワのドモジェドボ空港やシェレメチェボ空港、ジュコーフスキー空港に続き、空港での睡眠が禁止された。

空港での睡眠に関するブログ「スリーピング・イン・エアポーツ(Sleeping In Airports)」によると、モスクワの睡眠禁止のルールは、サッカーのW杯ロシア大会に伴って、モスクワ地域のホテルやゲストハウス宿泊料が急上昇したことが理由とのことだ。モスクワ当局は、サッカーファンなどの旅行客が「空港を宿泊施設の代わりとして利用すること」を禁止している。

スタンステッド空港では定期的に、深夜0時から2時までの間に出発ターミナルから旅行客を締め出しているほか、「早朝の便に搭乗する旅行客は予定のチェックイン時間より早く空港に到着してはならない」と警告している。また空港では「座席に横にならないでください」という注意書きもある。英紙デーリー・メールは、スタンステッド空港が「居眠りパトロール」として警備員を10分ごとに巡回させ、睡眠中の人を起こしていると報じている。

それでも他空港と同様、スタンステッド空港発の航空便では定期的にキャンセルや遅延が生じている。落雷で空港の給油設備が一時的に影響を受けた5月27日には、英国の祝日にかけて旅行していた何千人もの搭乗客が同空港で足止めされている。

それでは、スタンステッド空港が乗客に仮眠を許さない理由は何だろう? それはモスクワと同様、経済的・視覚的な問題にたどり着くのかもしれない。ある空港関係者は、同空港で以前寝ていた旅行客の数は毎晩最大で600人に上っていたと主張する。

一つには、同空港が乗客増加に対応するために6億ポンド(約870億円)もの建設費を投じていることがある。同空港のケン・オトゥール最高経営責任者(CEO)は5月、今後10年間にロンドンで予想される乗客増加の50%をスタンステッド空港が担うと述べており、同空港の利用客数は年間4300万人まで増える可能性がある。(ロンドン・ヒースロー空港の利用客数は2017年、7800万人だった)。空港側の主張は、睡眠中の利用客が周囲の状況に気づかないまま、建設作業の影響でけがをする恐れがある、というものだ。

編集=遠藤宗生

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