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表現力をよくするレシピ

       

marvent/ Shutterstock.com

仕事におけるちょっとした会話から、大きなプロジェクトが生まれたり、旧知のような親しい関係に発展したりすることがある。その一方で、この人とは組むべきではなかったと後悔することも起こりうる。いったい、この会話の成否の間には、何が起こっているのだろうか。

実は、ネットワーキングの達人は、会話のやりとりから巧みに情報を得たり、逆に与えたりして、人間関係を「成功」に導いている。その秘訣を紹介しよう。

まず会話中は、内容はあまり気にせず、相手の話し方や頻繁に使う言葉の癖に注意する。選んでいる言葉や態度に性格が表れるからだ。たとえば、表情を変えることなく、「でも」や「というか」や「まぁ」などの漠然とした否定語を多く使う場合、そもそも相手は何も変えたくないと思っていることが多い。

このようなときは、もし一緒に仕事をするつもりなら、数字化した証拠や権威者の見解を示しながら、説得する粘り強さが必要だ。

テンポや音程にも気を配る

相手の会話にユーモアがあるかも注意したい。ユーモア(humor)の語源は医療用語で「体液」だ。ユーモアがなければ潤いがなく、余裕も生まれない。長期の仕事を一緒にするなら、ストレスを伴う覚悟が必要だ。 

相手にゆとりがあるかどうかを知りたいときは、よく噺家(はなしか)が使うパターンが参考になる。落語には本題に入る前、「まくら」と言われる掴みの段階がある。まず、目の前の相手が、どんな話に反応がよいかに見当をつけ、「演目」を選ぶというわけだ。

たとえば、自分の失敗談を話したとき、相手の反応が鈍い場合は、何かを警戒しているか、そもそも打ち解けようとする気持ちがないのかもしれない。こういう場合は、重要またはリスクのあるビジネスの話は、そもそもするべきではない。

話すテンポや音程にも気を配りたい。こちらの質問に矢継ぎ早に答えてくる人は、一見するとレスポンスがよく機転が利きそうな感じがする。しかし、よくよく聞いていると、強引な性格が見えてくる場合もある。息継ぎするまでの間に話を詰め込む癖は、せっかちで自分のやり方で物事を進めたい人なのだ。

こういう場合は、「大切なことなのでメモしてよいですか」と言って、一旦、相手のスピードを落とし、言動に矛盾はないかを慎重に判断したほうがよい。

音程が安定しなかったり、言葉がところどころかすれたりする人は、とくに会話の内容に裏があるわけではない。体が緊張している可能性が高い。また部屋の温度が低すぎたり、他人の視線が気になっている場合もある。原因は会話の内容以外のところにあるのだ。このようなときは、まず、それを承知しているという態度を示すことが、双方の関係をスムーズにする。

相手に対して、そいういった気遣いを見せることで、かえって深く打ち解けることもある。とにかく会話の成否は、人間関係の成否に直結する。戦略的に使えば、ビジネス成功への切り札にもなるのだ。

文=中井信之

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