ビジネス

2018.06.30

ワインの「最高資格」保持者がスペインに集結 日本ワインも話題に

「世界の新しいワイン産地」をテーマとしたパネル・ディスカッションの様子(2018年6月撮影)


ワイン業界のグローバル・カンファレンス

MWシンポジウムでは、ワイン業界での最新トピックについての議論やテーマごとの試飲会など、数多くのイベントが開催される。議題は、微生物と栽培・醸造、ワインの偽造とその防止策、地球環境の変化とワインなど、広範囲にわたった。今回のホスト国であるスペイン・ワインの試飲会や、スペインの代表的な生産者やMWによるプレゼンテーションも目玉だった。


スペインを代表するワインの数々

中でも注目したいのが、「世界の新しいワイン産地」のパネル・ディスカッションの一環で、中国や英国といったワイン産地とともに、日本ワインのプレゼンテーションと試飲がおこなわれたことだ。

このパネルは、世界的なワインの権威であるジャスパー・モリスMWが司会を務め、日本から、信州大学・特任教授の鹿取みゆきさん、長野の「楠わいなりー」の楠茂幸さんが登壇し、日本ワインについて詳細な発表をおこない、反響を呼んだ。

また、日本ワインの非公式な試飲イベントも開催され、北海道、長野、山梨など全国各地の選りすぐりのワインを、世界のトップ・ワインプロフェッショナルたちが熱心に試飲する姿が見られた。

プレゼンテーションや試飲を担当した鹿取さんは、「これだけ多くの、世界から集まったワイン関係者に、日本のワイン造りの実態を伝えることができたのは、日本ワイン産業にとって大変有意義だったと考えている」と言う。日本で本格的なワイン造りがおこなわれていることを知る海外の人はまだ多くない。鹿取さんが言うように、日本ワインが今後発展していくためにも世界に発信することは不可欠であり、日本ワインの認知度をあげる貴重な機会となった。これからの発展に期待したい。


Marqués de Riscal ワイナリーがホストした最終日のディナーでは、蔵出しの古酒・1955年のワインも開けられた。

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島悠里

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