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「インクルーシブな社会」の実現に向けて

Jesus Sanz / shutterstock

視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚。感じ方はそれぞれ異なり、どのような感じ方をしているのかを体験することは難しいため、お互いに想像力を働かせるしかない。私たちは自分が感じたことに対して、便宜上、言葉でラベルを付け、コミュニケーションのために使っている。

Aさんの「痛い」とBさんの「痛い」は厳密には異なる「痛い」かもしれないが、どちらが「痛い」かなど、わからない。逆に痛みに「鈍麻」な人もいる。血がだらだら流れているのに、本人はあまり痛みを感じていないこともある。

感覚が過敏すぎる人、もしくは鈍麻すぎる人の行動パターンは、一見奇特なものである。例えば、同じ服を毎日着ていたり、ずっとヘッドホンをつけていたりする。他の人は気にしないプロジェクターやクーラーの音を「うるさい」と言い、オープンスペースのオフィスでは周りの刺激がいっきに情報として入ってきて仕事にならない。

靴を履いていると暑すぎるから、サンダルばかり履いている。首まわりに刺激があると痛く感じるから、首元がゆるいシャツを着ている人もいる。筆者の知り合いには、制服が痛くて着られない、という子どももいる。トイレのハンドドライヤーの音が不快で、それが設置してあるトイレには入れない人もいる。

上記のような、一見奇特な行動をしている人に出会ったときには、「感覚の過敏さ」や「感覚の鈍麻さ」という考え方の眼鏡を通して、その人の行動を見てみたり、実際に本人に聞いてみたりしてほしい。

また、ご自身の感覚過敏や鈍麻の状況についてより詳しく知りたい方は、こちらの「NPO法人ぷるすあるは」のサイトをぜひ参照していただきたい。

今回は感覚の過敏さや鈍麻さ同様、人のパフォーマンスに影響を与える「集中の仕方」に関する特性についてお伝えしたい。

自分が最も集中できる環境が何か、みなさんは知っていますか?

みなさんは勉強や作業をする際、どのような場所や恰好、時間帯が最も集中しやすいだろうか。もしくは、この1カ月間で最も集中できたのは、どのような状況だっただろうか。

もちろん仕事の内容にもよる。興味関心の強い仕事や動機づけの高い仕事であれば、集中できる、という人もいるだろう。

一方で、「集中できるかどうか」には環境的な要因も大きく関係している。例えば、カフェのように、ある程度音などの刺激がある状況が集中しやすい人もいるが、図書館のように、本当に静かな場所の方が集中できる人もいる。

また、椅子に座っている状況が集中できる人もいれば、スタンディングデスクのように立っている状況が良い人もいる。筆者は学齢期をアメリカで過ごしたが、バランスボールを椅子の代わりに使うことで授業中落ち着いて授業を受けられている子どもがいた。

「動いているほうが集中できる」という人は試してみてもよいかもしれない。その他にも、「歩きながらの会議」の方が創造的になり、集中力もあがる、との報告もある。

実際に取りいれている企業も少なくないという。私たちは学校で「座っていることで一番集中できる」と学びがちだが、もしかしたら、その前提自体が異なっているのかもしれない。

文=野口晃菜

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