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AI通信「こんなとこにも人工知能」

Sorbis / Shutterstock.com

各業界と同様に、製菓業界でも人工知能を利活用しようという動きが活発になりつつある。

ロッテグループの韓国法人・ロッテ製菓は先頃、「コーカルコーン・バッファローウィング味」というスナック菓子を販売開始した。バッファローウィングとは、米発祥の辛いソースを絡めたチキン料理。スナック菓子は、日本でもお馴染みの「とんがりコーン」に似た形をしている。

興味深いのは、その新商品のコンセプト開発に、人工知能ベースのトレンド分析システム「LCIA(Lotte Confectionery Intelligence Advisor)」から得られたインサイトが多分に反映されているという点だ。

ロッテ製菓は約1年間、数千万件におよぶ膨大な量のソーシャルデータ、売上データなどを収集。LCIAでスナック市場の消費層および消費性向を分析したという。その結果、韓国でスナックを消費する主な層は20〜30代であること、また“ホンメク族”と呼ばれる人々の間で、消費量が増加していることをつきとめた。

ホンメクとは、「ホンチャ・メッチュ(ひとりでビール)」の略語だ。日本で言うところに、「おひとり様」に近いニュアンスである。韓国では、都心部を中心に若者の単身世代が増えていて、「ごはんは複数人でわいわい食べるもの」という従来の食文化にも変化が起きつつある。

そのホンメク族は代わりに、自宅でひとりビール片手に晩酌すること多く、そのつまみとしてスナック菓子が好まれ、消費量が増える傾向にあることが分析で明らかになった。LCIAは、「ビール」「おつまみ」「バッファローウィング」というトレンドワードを組み合わせた新商品のヒット確率が高いと予想。今回、実際に商品化されるに至った。

なおロッテ製菓は、デザイン制作にも人工知能を取り入れている。今年2月に発売された主力商品「ペペロ」(ポッキー似たお菓子)シリーズの一部パッケージは、AIで分析した消費者トレンドを取り入れてデザインを決めたという。



ロッテは実態調査やコンセプト開発、消費トレンド分析など、主にマーケティング分野において人工知能を活用しているが、製菓業における使い道はその他にもさまざまだろう。味覚分析や、工場における不良品検知などもその一例となる。

また最近では「フィンテック」につぎ「フードテック」という言葉もブームになりつつある。人工知能だけでなく、自動輸送技術(ドローンや配送ロボットなど)、無人店舗システム、ブロックチェーンといった食ビジネスを改革する技術の動向も併せて注目していきたい。

文=河鐘基

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