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2018.06.27

「フェアな投資判断を」 大麻の事業機会をめぐる業界専門家の視点

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娯楽用大麻の関連では、ショップデザインを含めた販売の空間や仕組みに関する事業機会も生まれている。

大麻の販売ショップは、バーや酒販売店以上に厳しいセキュリティ管理が必要である一方、商業性を考えるとオープンでポジティブな雰囲気をつくる必要もある。セキュリティが完備されているという点で、銀行の支店が大麻ショップに改装されたケースも少なくないようだ。

医療用大麻に関しては、連邦レベルでの合法化に伴い大手が参入して、寡占状態の市場になることが予想される。また、娯楽用に関しては、小規模事業者が中心となり、断片化した市場になるだろうというのがホークの見方だ。



「オーガニックであったり、特別なフレーバーであったり、それぞれの個性を打ち出したクラフトビールのような市場になるのではないかと踏んでいます。娯楽用大麻に関しては、小規模事業者にとっても、事業機会があるのではないかと思います」

連邦レベルでの合法化が実現するまでは、事業者は事業経費の税制優遇を受けることもできず、利益率は低い。また、税率によっては、合法大麻の価格が上がり、消費者がブラックマーケットに流れてしまうことも危惧される。

コンプライアンス、透明性、信用、正義、権利。誰が受益者で誰を守るべきなのか、誰に新しい事業機会が与えられるべきなのか。大麻合法化の流れのなかで事業機会の勃興は、規制と公平性について考えるひとつの切り口として無視できない。いま日本でも話題になっているエアビーアンドビーや民泊をめぐる規制の議論と、そうかけ離れた話でもなさそうだ。

連載 : 旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」
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文=MAKI NAKATA

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