今回のラウンドには、ペイパルの創業メンバーであるマックス・レヴチンとピーター・ティールのほか、フィンテック分野への投資を手掛ける「Ribbit Capital」、フェイスブックの初期投資家として知られるユリ・ミルナー、Visaの前CEOであるCarl Pascarellaなどが参加した。
Brexは独自モデルを用いてスタートアップの信用力を精査している。同社は創業者個人のクレジットヒストリーや企業の予想収益を見るのではなく、企業の口座残高を確認し、その10%程度を信用限度額に設定している。
共同創業者のHenrique DubugrasとPedro Franceschiは、まだ高校3年生だった2013年にブラジルでオンライン決済企業「Pagar.me」を立ち上げた経歴を持つ。Dubugras によると、3年後には従業員数が約100人まで成長し、ブラジルのクレジットカード会社「Stone」に数千万ドルで売却したという。
昨年、2人はスタンフォード大学に進学するためにシリコンバレーに移ったが、わずか3ヶ月で退学してYコンビネータのアクセラレータープログラムに参加した。彼らは、Yコンビネータの参加企業が保証人なしでクレジットカードを作ることができないという問題を解決するため、Brexを立ち上げた。
Dubugrasは22歳、Franceschiは21歳だった。彼らに社名の由来を尋ねると、CEOのDubugrasは次のように答えた。
「社名に秘められたストーリーを語りたいところだが、響きの良い4文字のドメインが手頃な価格で売りに出ていたので買ったというのが本当のところだ。スタートアップ界隈ではよくあることだ」
Brexが提供するカードはVisaブランドのもので、信用限度額は口座残高に紐づいており、例えば残高が10万ドルの場合は1万ドルが限度額となる。残高が5万ドルに減ってしまうと、限度額も直ちに5000ドルに減額される。最高限度額は5〜10万ドルとなっている。Brexはオハイオ州本拠の「Sutton Bank」と提携しており、同行がクレジットカードの発行元となっている。