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2018.06.21 17:00

米スタバが店舗閉鎖を加速、「ポスト・シュルツ」時代へ

ケビン・ジョンソン(Photo by Stephen Brashear/Getty Images)

ケビン・ジョンソン(Photo by Stephen Brashear/Getty Images)

成長速度の鈍化と株主を満足させられない最近の業績を受け、コーヒーチェーン大手の米スターバックスは2019年度中に150店舗を閉鎖する計画だ。同社のケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)が6月19日、明らかにした。

店舗が集中する地域を中心に、これまで年間50店舗だった閉鎖のペースを大幅に加速させるのは、店舗の少ない地域での開業を推進するため。また、スーパーマーケットや空港などに出店しているライセンスストアは直営店より採算性が低いことから、こうした店舗の開業数を減らす方針だ。

「再生計画」を推進

多数に上る店舗の閉鎖は、同社の主要なターゲット市場である米国と中国での長期的な成長の加速を目指す "再生計画"の一環だ。同社はそのほか、高級コーヒーを扱うコンセプト・ストアの「ロースタリー」と「リザーブ」を通じて、両国とその他各国における「サードプレースでの体験」の向上を図る。

また、再生計画には スイスの食品大手ネスレとの提携を通じた国際的なブランド価値の上昇も含まれる。ネスレと組むことで、189カ国での商品販売や食品サービス分野での事業拡大が可能になると見込まれている。

ジョンソンは中核であるコーヒーチェーン事業において、革新的な新製品の開発を加速させたい考えも明らかにしている。(お茶専門チェーンの「ティーバナ」を閉鎖し、「タゾ」ブランドのお茶の取り扱いを中止した同社だが)急成長しているお茶・軽食市場に資本を投下するほか、消費者が求める健康的な食品を提供することにも力を入れる。

一方、米国内では、デジタルプラットフォームを通じた売り上げの増加を目指す。デジタルを介した顧客との関係強化についてジョンソンは、「米国内の既存店売上高を引き上げるために最も重要なこと」だと述べている。

同社は2019年度中にロイヤルティープログラムの「スターバックスリワード」を見直し、加入者の特典の増加やパーソナライズ機能の強化を行うなど、新たなデジタル・イニシアチブを展開する予定。同社が先ごろ明らかにしたところによれば、スターバックスリワードの加入者数は、前年比13%増の約1500万人に上っている。
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編集=木内涼子

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