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アフリカのスタートアップを取り巻く環境

二度の落胆、二度の歓喜――。2018FIFAワールドカップ、日本の第2戦目であるセネガルとの試合は、サッカーファンを大いに盛り上げた。

日本は、強豪・コロンビアに歴史的な勝利を収め、ダークホース・セネガルに引き分けた。高い個の力で向かってくるセネガルに対し、日本が見せたチームの力は決勝トーナメント進出に向けて我々に大きな期待を持たせてくれた。

さて、そのセネガルといえば、アフリカ大陸最西端に位置する、人口約1500万人強と東京都の人口よりやや多いくらいの小さな国。セネガルは親日国として知られており、2002年の日韓ワールドカップの際にセネガル代表チームのキャンプ地となった静岡県藤枝市では、「セネガルカップ」という少年サッカーの大会が開催されている。

セネガルに関して、サッカー以外の話題を聞くことはほぼ皆無である。世界一過酷なモータースポーツといわれる「パリ・ダカールラリー」は有名だが、「ダカール=セネガルの首都」と改めて知る人は少なくないだろう。

人口が、2050年までに25億人まで増えると予測されている、アフリカ大陸。ビジネス的な側面から見ても、地球最後のフロンティアとして、規模や業種、国籍を問わず多くの企業が進出し活動を広げている。今回は日本の対戦国であるセネガルにはじまり、アフリカ大陸全体のスタートアップを取り巻く環境についてご紹介する。

言語で異なるスタートアップ環境

アフリカ大陸と一言でいっても、西と東では様々な面で環境は大きく異なる。まず決定的な違いは、言語である。ご存知の通り、アフリカには、1880年代から第一次世界大戦前ころ欧米列国によるアフリカ分割により、アフリカ大陸の各国が植民地化された歴史がある。エジプト・スーダン・ケニヤから南アフリカまでの東アフリカをイギリスが、セネガル・モロッコ・コートジボワールなど西〜中央アフリカの国々をフランスが支配していた。

それゆえ、イギリスの植民地だった国の人々は英語を、フランスの植民地だった国の人々はフランス語を話すのだが、その影響は未だに色濃く残っていると、ルワンダを拠点に東アフリカでシード期のスタートアップに投資をしている、リープフロッグ・ベンチャーズの寺久保拓摩は話す。

「長いことアフリカのスタートアップやそれを取り巻く環境を見てきましたが、やはり盛り上がりを見せている地域に共通するのは、英語圏だということ。南アフリカを筆頭に、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダなどの“東アフリカ経済圏”と呼ばれる地域、西アフリカでもナイジェリアやガーナなどがいま特に大きな盛り上がりを見せています。

DISRUPT Africaのレポートによると、アフリカ全体でのスタートアップへの投資額は、2017年で1億9500万USドルと前年比で51%も伸びており、アフリカのアマゾンともいわれている、ナイジェリアのスタートアップ“Jumia”や、ケニアでマイクロファイナンスのサービスを展開する“Branch International”など、数十億規模の大型調達事例も増えています。さらに、18年5月1日には三井物産がケニアでソーラーホームシステム(家庭用のソーラーパネルなど)事業を展開するスタートアップ“M-KOPA”に出資を発表するなど、国外企業の参入も目立ちますね。」

フランス語は1社だけ

さらに寺久保は、2017年に開催されたアフリカ最大のICTイベント「トランスフォーム・アフリカ・サミット」に参加した時の、印象的な体験を話してくれた。

「トランスフォームアフリカのいちプログラムに、スタートアップのピッチがありました。アフリカのスタートアップが次々と英語でプレゼンをしている中、最後の一社がフランス語でプレゼンを始めたんです。会場が少しどよめくほど、皆驚いていました。」

その企業はセネガルの“jokkosanté”という、薬が余っている人と必要な人を繋ぐ、いわばフリマサービスのような事業を展開するスタートアップだった。いま5000万円を調達中という噂もあるらしいが、このピッチを見る限りだと、英語圏のスタートアップへ資本が集中していることは間違いないだろうと寺久保は話す。

フロンティアといわれ、世界中から注目が集まっているアフリカ大陸の中でも、アメリカやイギリス、ドイツなどの外国資本が入りやすい英語圏の国々から、スタートアップを取り巻く環境が発達しているのである。

文=Forbes JAPAN編集部

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