2018年「世界のベストレストラン50」 日本からは3店ランクイン

1位に輝いた「オステリア フランチェスカーナ」のシェフ、マッシモ・ボットゥーラ(右)

スペイン北部、バスク地方の都市ビルバオで、「世界のベストレストラン50」の表彰式が行われた。会場となったのは、同都市のランドマーク、グッゲンハイム美術館からほど近い場所にある会議場、エウスカルドゥナ。受賞シェフやメディア関係者など、過去16年で最大の約1000人が集まった。

午後9時から行われた表彰式では、今年初めて創設された、50ベストBBVAスカラーシップが発表された。若手のシェフが、ランキング上位のレストランで研修を受けることができる賞で、82カ国の1000人以上の候補者の中から、台湾のジェシー・リウ氏が選ばれた。

日本勢でトップになったのは、東京・外苑前にある日本料理「傳」で、17位にランクイン。昨年の45位から最も順位を上げ、ハイエスト・クライマー賞にも選ばれた。

傳の長谷川在佑氏は、この一年間は、毎月コラボレーションに参加したと振り返る。「特別なことをしているわけではない。海外にコラボレーションに行くと、必ず数軒は地元のレストランを食べ歩く。食べに行って、食べに来てもらって、という自然な付き合いの中で、海外に呼ばれるようになっていく。大切なのはオープンマインド。もっと多くの日本のレストランがこのランキングに入って欲しい」と語る。

ほか日本からは、22位に「NARISAWA」(去年18位)、41位に「龍吟」(去年52位)と3店が50位以内に入った。

この結果について、日本評議委員長の中村孝則氏は、「多数の投票者のいるヨーロッパの優位性はある。とにかく投票する側の人々に日本に来てもらわなくては」と話す。2020年には日本開催の可能性もあるという。

世界一には、一昨年一位だったマッシモ・ボットゥーラが手がける「オステリア フランチェスカーナ」返り咲いた。フードロスの削減も掲げた路上生活者向けの無料レストラン「レフェットリオ」を世界各地で展開するボットゥーラの活動も評価につながったと思われる。

今回ユニークだったのは、50位以内に初めてアフリカ地域のレストラン(50位 The Test Kitchen、南アフリカ)と、中東の玄関トルコのレストラン(44位 Mikla)がランクインしたことだ。



世界のベストレストラン50の強みは、世界各地を網羅していること。エリア別のリストとしては、アジアのベストレストランが2013年にスタートした後、ラテンアメリカ版が2016年に加わっている。

ベスト50のレストランは以下の通り。

1. Osteria Francescana|モデナ イタリア
2. El Celler De Can Roca|ギロナ スペイン
3. Mirazur|マントン フランス
4. Eleven Madison Park|ニューヨーク 米国
5. Gaggan|バンコク タイ
6. Central|リマ ペルー
7. Maido|リマ ペルー
8. Arpège|パリ フランス
9. Mugaritz|サン・セバスチャン スペイン
10. Asador Etxebarri|アクスペ スペイン
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文・写真=仲山今日子

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