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Business and finance journalist

ImageFlow / shutterstock

もしも何かに迷いが生じた時は、アルバート・アインシュタインに教えを請うこと。この原則には私自身がこれまで幾度となく救われた。彼の名言のひとつはこうだ。「人は誰もが天才だ。しかし、木を登る能力で魚を評価すれば、その魚は一生、自分はばかだと思い込んで生きることになる」

私は最近、強みをベースにした変革をテーマとするパネルディスカッションに参加した。ホストは、『SPIKE: What Are You Great At?(SPIKE:あなたの得意なことは?)』の著者であるレネ・カレヨルだ。

カレヨルはこう考えている。私たちは子供の頃から、自分たちがしている「正しいこと」ではなく「間違ったこと」についてばかりを言い聞かされており、その状態はそのまま職場にも持ち込まれている。だが、自分が得意とするものにもっと注目しさえすれば、私たちはさらに素晴らしいパフォーマンスを発揮できるのではないだろうか?

これは理論上では素晴らしい考えだ。私自身、この考え方を肯定するような記事をフォーブスに寄稿したことがある。また、否定論が溢れる世の中では、個人の強みの分析に基づいたパフォーマンス評価という考え方は、個人的には非常に好ましいものだ。

ところが実際問題として、自分の強みばかりを重視しようとすると、以下のような現実的課題が出てくる。

1. 人は自分の欠点を直すよう教え込まれている

全ての人間には根本的な欠点があるとする考え方は、欧米文化、そしてユダヤ教・キリスト教の基本教義の中に深く根付いている。実際、欠点のある人は身近にいるし、有名なリーダーの中にもいる。

日々の生活の中で、アダムとイブの堕落という概念に思いを巡らす人はほとんどいないだろうが、事実として人々は数千年にわたり、自分は神を失望させるような存在だと信じてきた。この信念を本当に覆そうとするならば、さらに数千年を要するだろう。

さらにキリスト教徒は、「罪」と「許し」、そして「より良い人間になる」ことを重視するため、大半の人にいっそうの自己研磨が必要だという考えが助長されている。この数年で自己啓発本が激増した理由は、ここにあるのかもしれない。そのブームには私自身も貢献してきたのだが。

2. 自分(と他人)の生存本能に反する

前出のパネルディスカッションには、『The Strengths Book(強みの本)』の著者であるサリー・ビブも参加していた。彼女いわく、人間は本質的にリスクを特定しようとする本能があり、そうすることで生き延びている。つまり、ある人の欠点は、実質的に他の人が対処すべきリスクとなる。

この考えをビジネスに当てはめると、コーポレート・ガバナンスの構造へと即座につながる。ビジネスでは誰もが他人に目を配るのに忙しい理由がここにある。ビジネスが失敗する大きな要因の中には、自分の強みによって他人の目をくらます人たちに責任があるものもある。

編集=遠藤宗生

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