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As Mobile Economist at TUNE, I forecast and analyze trends affecting the mobile ecosystem.

       

Rawpixel.com / sutterstock.com

2000年代初頭に一世を風靡した「セカンドライフ」は、仮想空間の概念を具体化して提示した最初のプラットフォームといえる。しかし、その後登場したAR(拡張現実)やMR(複合現実)は現実世界にヴァーチャルな要素を組み合わせ、ゲームやビジネス、メディアの世界に新たな可能性をもたらした。

その進化の一例と呼べる興味深いプロジェクトが始動した。「バーチャル・ヘルシンキ」と名づけられたこの取り組みは、フィンランドの首都、ヘルシンキ市の広さ50平方キロメートルのエリアをデジタル化し、テクスチャマッピングで3Dメッシュ化したもの。700ギガバイトに及ぶ3Dモデルデータは、ARやVRヘッドセット、さらにウェブブラウザ向けにストリーミング配信される。

このソリューションは米サンフランシスコのARクラウド企業「Umbra」が開発したもの。Umbraによると、ゲーム企業はこの3Dモデルを活用し、リアルな都市空間を舞台としたマルチプレイヤー型ゲームを開発できるという。「フォートナイト」のようなアクションゲームを、リアルな空間で楽しめるのだ。

Umbraのソリューションは他の都市にも適用可能だという。同社のストラテジー担当のShawn Adamekは声明で次のように述べた。
「Umbraのクラウドベースのソリューションはグーグルアースと似た形で動作する。しかし、3Dコンテンツのレンダリングとストリーミングの解像度はグーグルアースを上回るポテンシャルを持っており、元データ次第でミリメートル未満の精度に対応可能だ」

Adamekによると同社は今後、都市サイズの3Dスキャニングが手軽に実現できる仕組みを提供し、既存の地図データに頼らず独自のデータを活用するソリューションを、世界の都市に提供してくという。

Umbraが生み出す3Dモデルは写真クオリティのリアルなもので、データ量は膨大だ。しかし、同社のテクノロジーは巨大なデータをリアルタイムでストリーミング可能にした。また、このデータはゲーム業界で広く使われているゲームエンジンのUnityやUnrealに組み込むことも可能だという。

ヘルシンキのプロジェクトマネージャーのJarmo Suomistoはこう述べている。「新たなテクノロジーで次世代の都市データを生み出し、それをゲームに活用するのは画期的な取り組みだ。Umbraとのコラボでそれが実現できた」

今後の数十年で、世界中のあらゆる都市の緻密な3Dマップが生み出されるだろう。バーチャルな地球に人々のアバターを浮かべて楽しめる世界の到来が近づいている。Umbraのテクノロジーはその先がけとなる事例といえる。

編集=上田裕資

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