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2018.06.29 11:00

美しい海を守るために。時計界の「海の守護者」とは

Fifty Fathoms Blancpain Ocean Commitment III timepiece, Revillagigedo Archipelago, Mexico, 2018 (c)Blancpain

Fifty Fathoms Blancpain Ocean Commitment III timepiece, Revillagigedo Archipelago, Mexico, 2018 (c)Blancpain

ダイバーズウォッチを筆頭に、海をテーマとする時計は多い。ではその原点はどこにあるのだろうか? 現存する最古のスイス時計ブランド「ブランパン」は、65年も前から数々の海洋保護プロジェクトをサポートしながら、人間と海の理想的な関係性を提案し続けている。


なぜブランパンは、海に惹かれたのか?

海は生命の源であり、人々に生活の糧を与えてくれる。しかし人間の生活が豊かになるにつれて海への汚染も広がってきた。その状況を防ぐために、世界各国は「ロンドン条約」や「国連海洋法条約」などを結ぶことで海洋保護を進めている。しかしそれでは十分ではない。大切なのは、自然に感謝し、美しい海を守ろう、という人々の意識改善にある。

ブランパンは長きにわたって、海洋保全活動をサポートしてきたが、“○○をするな!”“××は禁止!”というような否定的なメッセージではなく、美しい海を残していこうというポジティブな姿勢を大切にしてきた。

そもそも“得体の知れないもの”に愛情を持つことはできないし、愛情を持てないものを守ろうとは思わない。しかし人々が海を愛するようになれば、それを敬い、守ろうという気持ちが芽生えるに違いない。だからまずは、人々に海について知ってもらうことが大切なのだ。

ブランパンが携わってきた海洋保全に関する様々なプロジェクトは、現在「ブランパン オーシャン コミットメント」という形で集約され、さらに大きく飛躍している。これは海洋保護をもっと広く知ってもらうために、学術プロジェクトに参加するだけでなく、水中撮影や海洋探査をおこない、それを出版物やウェブサイトなどで発表することを通じて、人々の関心を高めようという活動だ。

既に2017年には海洋探査プロジェクト「ゴンベッサ」の中心メンバーである海洋科学者、写真家のローラン・バレスタ氏が「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」の地球環境部門で優秀賞を受賞。さらには数多くのメディアに登場する水中表現家の二木あいもサポートしており、ブランパンは彼らの活動を通じてもまた、海の素晴らしさを伝えている。

しかしなぜブランパンは、ここまで海へ深い愛情と情熱を傾けるのだろうか? それはブランパンこそが、1953年に世界初のモダンダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」を作ったブランドであるから。つまり人々に海への扉を開いた張本人であり、65年に渡って多くのパートナーと海洋調査を行ってきたという歴史があるからだ。

いうなれば、ブランパンは時計界における“海の守護者”であり、重い責任を担っているということ。だからこそ彼らは、美しい海を守るための努力を惜しまないのだ。


ローラン・バレスタ氏によるゴンベッサ・プロジェクトは、2013年にスタート。第一回はゴンベッサ(シーラカンス)の探査で、第二回が仏領ポリネシアのマダラハタを調査、そして第三回(写真)が南極の深海の生態系を調査した。このプロジェクトの様子は、ドキュメンタリー映画としても公開されている。(Gombessa III, Antarctica, 2015 (c)Laurent Ballesta)


水中表現家でありフリーダイバーの二木あいは、酸素ボンベを使わずに海に潜り、生物たちの自然な姿を撮影する。その活動をブランパンがサポートしている。 (c)Blancpain


ブランパンの社長兼CEOであるマーク A. ハイエックは、ダイバーであり水中写真家でもある。これは「ゴンベッサ Ⅱ」プロジェクトに参加した際の様子。(Marc A. Hayek & Laurent Ballesta, Gombessa II, French Polynesia, 2014 (c)Blancpain)


ナショナル ジオグラフィック協会の「原始の海」プロジェクト支援を、2011年から2016年まで先頭に立って牽引。プロジェクトを率いるのは、ナショナル ジオグラフィック協会付き探検家のエンリック・サラ博士。(Dr. Enric Sala, National Geographic Explorer-in-Residence, leader of the Pristine Seas Expeditions, New Caledonia, 2013 (c)Manu San Félix)

ブランパンと海が出会い「フィフティ ファゾムス」が生まれた

歴史ある時計ブランドとして地位を築いていたブランパンが、海と深いつながりを持つようになったのは20世紀中頃。長くCEOを務めたジャン-ジャック・フィスターが、当時の最先端技術であるスキューバダイビングを趣味とし、スポーツダイビングのパイオニアであったことがきっかけだった。スキューバダイビングとは、ボンベを使った潜水技術のこと。潜水時間が伸びて行動範囲も広がることから、海洋探査や海洋撮影などが盛んに行われるようになり、“海と人間の距離が縮まった時期”でもあったのだ。

そんな折、フィスターは、フランス海軍潜水戦闘部隊(フロッグマン部隊)から潜水用時計の開発を依頼される。優れた防水性は当然として、海中でアクティブに動いても壊れない頑強さや、素早く時刻を確認できる視認性、さらには潜水時間を簡単に把握するための簡易計測機として回転ベゼルを設けた。しかも誤ってベゼルが動いてしまうことなく正しい計時が行われるように、一方向にだけ動くロック機構を完成させた。

こうして生まれたダイバーズウォッチは、優れた性能を示すためにモデル名に水深用の単位“ファゾム”を使い、「フィフティ ファゾムス」と命名した。ちなみに50ファゾムは約91mであり、当時のダイバーが潜水できる最大深度であった。この画期的な時計は、アメリカ軍やドイツ軍も採用したという。

そして優れた防水性とタフなケース、シンプルな表示に逆回転防止ベゼルというスペックが、ダイバーズウォッチの必須事項となり、多くのフォロアーが生まれることになる。

現在の「フィフティ ファゾムス」は、当時のスタイルを継承する形で2007年に発表されたもの。再登場するや、あっという間に時計業界を席巻し、ダイバーズウォッチの王者として高い評価を受けている。誕生65周年を迎える2018年には、3つの新作モデルが誕生したが、いずれも最新技術を備えながら、歴史的なディテールはしっかり受け継いでいる。


1953年に発表された「フィフティ ファゾムス」のオリジナルモデル。操作性と視認性に優れたボリューム感のあるベゼルが特徴だった。

【MOVIE】
http://www.blancpain.tv/video/10382812/blancpain-ocean-commitment

http://www.blancpain-ocean-commitment.com/en-us#!/home/


(写真左)フィフティ ファゾムス バチスカーフ アニュアルカレンダー。シリーズ初の年次カレンダーモデルで、月の大小を自動的に判別し、3月1日のみ修正すれば一年を通じて便利に使える。300m防水、自動巻き、SSケース、ケース径43㎜。258万0000円(今夏発売予定)
(写真中央)フィフティ ファゾムス ラージデイト。6時位置にラージデイトを加えた新作。10の桁と1の桁を分割させて大きく表示しており、端正なデザインにアクセントを加えている。300m防水、自動巻き、チタンケース、ケース径45㎜。173万0000円(今夏発売予定)
(写真右)フィフティ ファゾムス バチスカーフ デイ・デイト 70S。1970年代に製作されたモデルを復刻。長方形インデックスやグラデーションダイヤルが特徴。アンティーク風のレザーストラップでクラシック風に仕上げる。世界限定500本。300m防水、自動巻き、SSケース、ケース径43㎜。125万0000円(今夏発売予定)


海を愛する気持ちが結実した時計

ブランパンが進める海洋保全・保護プロジェクト「ブランパン オーシャン コミットメント」では、その活動に対して理解を深め、愛情を持ってもらえるように、ブランパンの傑作ダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」を使った特別なダイバーズウォッチを作ってきた。

2018年はその第三弾モデルとして「オーシャン コミットメント フィフティ ファゾムス Ⅲ」が誕生。紺碧の海を思わせる美しいディープブルーが目に飛び込んでくるのは、色合いを引き立てるためにステンレススティールケースにサテン仕上げを施しているから。6時位置には「ブランパン オーシャン コミットメント」のロゴマークが入り、特別な時計であることをアピールする。


(写真左)オーシャン コミットメント フィフティ ファゾムス Ⅲ。第三弾となるオーシャン コミットメントモデル。ケースにサテン仕上げを施し、ダイヤルやベゼルのブルーを強調。同系色のストラップは、写真のNATOストラップの他に、セイルキャンバスストラップも付属。世界限定250本。300m防水、自動巻き、SSケース、ケース径40.3㎜。168万0000円(6月発売予定)(写真右)搭載ムーブメントは自社製のCal.1151。連続駆動時間は4日間で、シリコン製ヒゲゼンマイによって耐磁性を高めた。

しかもこの時計を購入すると、1本につき1000ユーロが海洋保護活動のために寄付される。さらには「オーシャン コミットメント サークル」のメンバーとなり、イベントやカンファレンスへの招待などメンバー限定の特典を愉しめる。ナンバリングされた「エディション フィフティ ファゾムス」ブックも進呈されるので、ブランパンと海との歴史をより深く知ることができるのだ。

高級時計は“モノ”を手に入れるだけではなく、“経験を楽しむ”時代となりつつある。海に囲まれた国に生きる我々にとっても、興味深い時計であることは間違いないだろう。

http://www.blancpain.tv/video/27781533/bociii
http://www.blancpain.tv/video/27786832/blancpain-ocean-commitment-boc-iii

Promoted by ブランパン 編集=篠田哲生

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