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2018.06.22 20:00

境界線を曖昧に──人とAIが奏でる「共創曲」の裏側

(写真左から)堀井 哲史氏、徳井 直生氏、真鍋 大度氏

(写真左から)堀井 哲史氏、徳井 直生氏、真鍋 大度氏

5月10日に東京・六本木にて開催された「サントス ドゥ カルティエ」の新作発表を祝したイベント。「サントス ドゥ カルティエ」は、ブラジル人飛行家であるアルベルト・サントス=デュモンとルイ・カルティエ、情熱を持った二人の友情から誕生した世界初の男性用実用的腕時計である。

イベントでは、彼らのパイオニアスピリットと革新性を受け継ぐ、現代のイノベーターがそれぞれ独創的な作品を提供。AI DJとともにターンテーブルを繰る徳井直生が、そして最新のDJ/VJ作品を披露したライゾマティクスリサーチの真鍋大度と堀井哲史が、カッティングエッジにイベントを盛り上げる。プレイ直後の彼らに話を聞いた。(本記事ではダイジェスト版をお送りします。全文はこちらをご覧ください)





DJブースに立つ徳井直生の横では、AI DJが白いアクリル板でできた頭を揺らしていた。AI DJは徳井がプレイする曲を分析し、自らピッチ合わせまで行うロボットだ。スクリーンには膨大なレコードボックスに収められたたくさんのレコードの中から楽曲を選ぶAI DJの思考がグラフィカルかつリアルタイムで表現され、ときに予想外の選曲に翻弄されながらも、AIとの共創による新たなアイデアが生まれる瞬間をパフォーマンスとして表現する。



そんな徳井とともに数年前からイベント「2045」を開催し、音楽とテクノロジーの未来を、実践を通じて考える試みを続けているのがライゾマティクスリサーチの真鍋大度。彼は徳井をこう評する。

「徳井くんは、人工知能やニューラルネットワークということをすごく早くからやってきた人です。人工知能と言ってしまうと指し示すものはものすごく広がるので、AI DJというネーミングはハイプすぎるかもしれませんが、その看板に耐えうる理論と実装をしっかりやっている。そういう人は実はけっこう少なくて、いま一番人気のあるレッドオーシャンの中できちんとプロジェクトを継続してきているところがすごい」

真鍋の言葉を受けて、徳井はいう。

「僕自身もAI DJという名前については悩むところがありました。この名前だけを見ると、DJをAI化して完全に自動化しようとしているように捉えられがちなんです。実際に僕がやりたいことは、普段自分がしているDJプレイをAIとして外部化することで、DJの本質や音楽と人間の関係性をより深く理解するということ。このAI DJの存在によって人間のDJの発想がより広がるということを、お客さんが見ている前でリアルタイムでやる。このしびれる状況のなかで、単に僕とAI DJがぴったりと息のあうプレイをするような“正解を求める”ことではなく、正解からいかに賢く逸脱できるかということをやっていきたいんです」

全文は「サントス ドゥ カルティエ」スペシャルサイトにて
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徳井直生◎メディア・アーティスト/DJ。株式会社Qosmo代表取締役。Computational Creativity、新しい「つくる」を創るをモットーに、AIと人の共生による創造性の拡張に取り組む。近作にAIを用いたブライアン・イーノのミュージックビデオの制作やAI DJプロジェクトなど。東京大学工学系研究科博士課程修了。工学博士。

真鍋大度◎東京を拠点としたメディアアーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマ、DJ。2006年Rhizomatiks 設立、2015年よりRhizomatiksの中でもR&D的要素の強いプロジェクトを行うRhizomatiks Researchを石橋素氏と共同主宰。慶応大学SFC特別招聘教授。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作する。

堀井哲史◎ビジュアルアーティスト/プログラマ。既存ソフトウェアやツールに頼らない動的な絵作りを着想からプログラミングまで一貫して行い、インタラクティブ作品、映像制作を様々なフィールドで展開。プログラミング/デザインを担当した『Perfume Global Site Project』は 第16回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門大賞、カンヌ国際広告祭等多数受賞。

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