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2018.06.21 10:00

「好きなことが見つからない」は正しい 肯定から始める新時代の捉え方

Jacob Lund / Shutterstock.com

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長時間労働削減、副業解禁、リカレント教育──。

働き方改革を推進するキーワードとして、ここ1年でよく見聞きするようになったこれらの言葉を、皆さんはどう捉えているだろうか。

残業が減って、早く帰れるようになって嬉しい。本業以外に、好きなことでお金を稼げるのは大歓迎だ。働きながら学べる柔軟な社会が早く実現してほしい。

そんなふうにポジテイブに受け止められる人は、実は少数派ではないだろうか。

これまで散々残業して成果を挙げてきたのに、急に「定時で帰れ」と言われても…。副業? 何をしたらいいのか、さっぱり浮かばない。どんなスキルや知識を身につけたらいいのかも分からない。

そんな戸惑いを感じることはないだろうか?

本題に入る前に、簡単に自己紹介をしよう。私の職業は、コーチングディレクター。聞き慣れない肩書きかもしれないが、いわば“コーチのコーチ”。指導者のコーチングについてコンサルティングをする立場として、スポーツチームの監督やコーチの育成を行っている。

ラグビーに没頭した学生時代を経て、三菱総合研究所に就職。組織論に基づく企業分析に携わった後、2006年に早稲田大学ラグビー蹴球部の監督を引き受け、2年連続日本一の優勝を果たした。いまは、2014年にチームボックスを創業、ビジネスの場において、グローバルリーダーの育成を行っている。

さて、冒頭の話題に戻ろう。ここ最近急速に聞かれるようになった「働き方改革」について戸惑いを抱くのは、至極当然のことである。

なぜなら、私たちはこれまでずっと何の疑いもなく、会社が個人の時間を長く拘束し、“一社忠誠”の契約で親密な関係を築く前提の社会に生きてきたのだから。学校教育でも、「先生の言うことをよく聞き、模範解答を当てる生徒」が高く評価されてきたはずだ。

なのに、突然、「人生100年時代には、個人が自分自身でキャリアをつくっていくのだ。会社はいつまであなたを守れるか分からない。さぁ、あなたも頑張りなさい」と絆の糸は解かれ、世の中の風向きは変わろうとしている。小さな舟で大海に放たれるかのような不安に襲われるのは、自然な心理と言えるだろう。
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構成=宮本恵理子

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