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世界最高のワインはどのような味がするのだろう?

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティは議論の余地なく、世界最高のピノ・ノワールと考えられている。ドメーヌの共同経営者兼所有者のオベール・ド・ヴィレーヌは、ワイン生産界の「生きた伝説」だ。

幾度となく偽物が生産され、ある時はぶどう畑に毒をまくという脅迫で100万ユーロ(約1億3000万円)の「身代金」を要求されたこともある。現在、2014年のボトル1本に最低1万4000ドル(約150万円)の値が付く品物だ。

このワインを手がけるオベールは、その名声にもかかわらず謙虚な人物だ。ブルゴーニュ地方のぶどう畑のクリマ(ブルゴーニュ独自の畑の区画単位)をユネスコ世界遺産に登録する9年間の活動も、彼が火付け役だ。ブルゴーニュの1247のクリマでは、2500のワイン業者が働いている。そんな地域で最高峰となるワインを飲むためなら、あなたはどれほどの努力ができるだろうか? 

これは私がロマネ・コンティを口にするまでの苦難の物語だ。

フランスに発つわずか8日前、予定が変更を強いられた。オベールに緊急の用ができ、何カ月も前に設定した日程を同週後半に移動させることを提案されたのだ。電車のチケットを予約しようにも、フランスの鉄道はストライキ中で選択肢は限られている。何度か電話を重ね、ようやくパリからボーヌへの最後の席を押さえることができた。

出発前日になると、今度はエールフランス航空がストライキに加わったことで、フランス行きの便がキャンセルになった。旅行中止を真剣に考えたが、これは世界で最も興味深いワイン、ロマネ・コンティなのだと自分に言い聞かせ、元の便より後のデルタ航空便を予約した。

出発の日、定刻の午後9時半に搭乗を済ませたが、何と機材の問題が発生。同便は延々と遅延し、夜中2時を回ったころには諦めて払い戻しを受けようかと思い始めた。神様は私に何か言おうとしているのか? これは「帰れ」ということなのか? 私にはこのワインを味わう資格がないのではないかとさえ考えた。

このまま飛行機にとどまっても、パリに着く頃にはとっくにボーヌ行きの電車を逃し、車を借りなければならないだろう。もしかしたら駅で寝ることになるかもしれない。それでも私は機内にとどまった。

編集=遠藤宗生

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