経済・社会

2018.06.19 07:30

英メイ首相「ジンバブエのビリオネア」の慈善活動を表彰

ジンバブエのビリオネア Strive Masiyiwa(Photo by Brian Ach/Getty Images for International Rescue Committee)

ジンバブエのビリオネア Strive Masiyiwa(Photo by Brian Ach/Getty Images for International Rescue Committee)

テリーザ・メイ英首相は先日、ジンバブエのビリオネアであるStrive Masiyiwaとその妻に、優れたボランティア組織に贈る賞「ポインツ・オブ・ライト賞(Points of Light award)」を授与した。

Masiyiwa夫妻はジンバブエの子供たちに奨学金を与える財団「Higher Life Foundation」を設立し、これまで4万人以上の子供たちを支援してきた。ポインツ・オブ・ライト賞は優れたボランティア団体を表彰する賞で、メイ首相は毎日1組の団体にこの賞を与えている。

Higher Life Foundationはアフリカで最大規模の学費支援プロジェクトとして知られ、ジンバブエやレソト王国、ブルンジ共和国の学生ら約2万名に奨学金を与えている。Masiyiwa夫妻は2013年に6400万ドルの学費ファンドを立ち上げ、米ジョージア州のモアハウス大学にアフリカの学生たちを送り出すプロジェクトも始動させた。

夫妻はまた「Ruzivo Digital Learning」と呼ばれるオンラインプログラムを立ち上げ、数千名の学生にコンピュータ関連の授業を受けさせている。さらに2014年には「Muzinda Hub」というアフリカで最大規模のテクノロジーハブを設立。ジンバブエの若者たちにプログラミングを教え、現地の雇用問題を解決しようとしている。

メイ首相はMasiyiwa夫妻の努力を次のような文面で称賛した。「恵まれないアフリカの子供たちに質の高い学習機会を与える試みは、大いに称賛すべきものだ。あなた方の活動は、アフリカ全土の子供たちをより良い未来に導こうとしている」

Masiyiwa夫妻は今回の賞を彼らが支援する子供たちや、彼らが運営する通信企業「Econet」、そしてHigherlife Foundationを代表して受け取った。

「我々がここまで活動を続けてこれたのは、支援してくれたチームやパートナーたちのおかげだ。身寄りのない子供や、経済的な困難を抱えた子供を支援する取り組みを今後も継続していきたい。Higherlife Foundationはこれまで25万人以上のアフリカの人々に貢献してきたが、今後はさらに規模を拡大する。アフリカの若い世代に使命感を与え、世界にインパクトを与える動きにつなげていきたい」とMasiyiwaは述べた。

ポインツ・オブ・ライト賞は1990年代に米国の財団が設立した賞で、アメリカでは6000名以上の受賞者を送り出した。その後、始動した英国版の925番目と926番目の受賞者にMasiyiwa夫妻が選ばれた。

Masiyiwaは1993年にジンバブエの通信企業Econetを設立。同社は金融サービスや保険、Eコマース、再生エネルギー分野にも投資を行ない、アフリカ全土に視聴者を持つ有料テレビ「Kwesé TV」の事業も行っている。

現在57歳のStrive Masiyiwaは、ジンバブエ初のビリオネアとして知られ、現在の資産総額は19億6000万ドル(約2170億円)と算定されている。

編集=上田裕資

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