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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

pieter Beens / Shutterstock.com

6月5日から開催された台湾のテック見本市「COMPUTEX」には400以上のスタートアップ企業が参加した。そこで存在感を発揮していたのが、中国のアリババがスタートアップ育成のために設立したファンド「Alibaba Entrepreneurs Fund(阿里巴巴創業者基金)」だ。

アリババが設置したパビリオンの周囲には、23社の台湾企業と16社の香港企業がブースを出した。アリババは2015年に台湾と香港のスタートアップ向けに、約4億3000万ドル(約475億円)を出資すると宣言していた。その内訳は台湾向けが約3億ドル、香港向けが約1億3000万ドルだった。

台湾や香港は中国政府との間に政治的緊張を抱えているが、「スタートアップ業界では活発な交流が行なわれている」と現地のアナリストは述べた。

Alibaba Entrepreneurs Fundのエグゼクティブ・ディレクターを務めるCindy Chowは、「台湾や香港の企業にとって中国は巨大な市場だ。我々のプラットフォームを通じて、スタートアップは中国市場にアクセスできる」と述べた。

時価総額が約5000億ドル(約55兆円)に及ぶアリババは、出資先のスタートアップを毎年、中国の杭州市の本社に招き企業同士のコラボレーションを活性化させている。

アリババが出資する香港の物流系のスタートアップ「GoGoVan」は同じくアリババが資金を注ぐ中国の競合「58 Suyun」と昨年合併を果たし、企業価値10億ドルを超えるユニコーンの仲間入りを果たした。同社は香港で指輪型ウェアラブルデバイスを開発する「Origami Labs」にも、合計で250万ドルを出資している。

さらに、日本や東南アジア地域向けに現地ツアー専門の旅行プラットフォームを展開する台湾企業の「KKDay」もアリババの支援を受けている。同社は日本のH.I.S.からの出資も受けている。

また、同じく台湾のブロックチェーン企業「Bitmark」もアリババの支援を受けており、2016年時点で合計170万ドルを調達していた。

アリババのChowによると同社は、成長が見込める東南アジア市場のスタートアップ向け投資を活性化させていく方針で、将来のIPOも視野に入れつつ支援を行なっているという。

北京のコンサルティング企業「Marbridge Consulting」のアナリスト、Mark Natkinは「香港や台湾はともに中国語圏であり、アリババが市場を広げるうえで理想的な地域だ。ここでスタートアップの育成を行なうことは彼らにとって非常に理にかなっている」と述べた。

アリババの担当者によると、台湾向けにAlibaba Entrepreneurs Fundが用意した約3億ドルのうち、割り当て済みの資金はまだ6700万ドル程度だという。

編集=上田裕資

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