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I'm a Tokyo-based founder, consultant, author, and teacher and host the Disrupting Japan podcast. I also teach corporate innovation at NYU's Shinagawa campus.

Artem Vuiko / Shutterstock.com

日本企業の残業時間の長さは世界的に有名だ。従業員が深夜までオフィスに居残り続ける光景は日常的になっている。日本のドローン関連のスタートアップ「ブルーイノベーション(Blue Innovation)」はテクノロジーの力でこの課題を解決しようとした。

同社のドローンを活用した残業監視サービス「T-FREND」は、オフィスに残った従業員たちの周囲をドローンが飛び回り、うるさい音楽を鳴らして業務を妨害したり、残業中のメンバーの姿を撮影して管理部門に報告する機能を持つ。

ただし、このサービスはブルーイノベーションが持つテクノロジーのほんの一部に過ぎない。同社のその他のサービスはさらに先進的なものであり、売上的にも重要なプロジェクが数多い。ブルーイノベーションは企業向けの高度なドローンシステムを開発し、GPSや無線が届かないトンネルや下水管、高圧電線などを点検するシステムを提供している。

日本のスタートアップ関連メディア「Disrupting Japan」を運営する筆者は、同社CEOの熊田貴之を先日取材した。熊田によると、同社にとって比較的マイナーなプロジェクトだったT-FRENDが、メディアの注目を集めてしまったことは、予想外の出来事だったという。

しかし、T-FRENDの試みは、テクノロジーの力だけでは解決できない多くの問題があることを明るみに出した。日本の企業社会で、残業は会社に対する忠誠心を示すもので、出世にもつながるという考え方がある。

日本政府は昨年、残業時間を減らす施策としてプレミアムフライデーを打ち出し、月末の金曜日には午後3時には仕事を終わらせて退社するよう呼びかけた。これにより社員のワークライフバランスを向上させ、経済効果を生み出す狙いもあった。

日本経済新聞の調査によると、大企業の37%がこのプログラムに参加したという。しかし、実際に午後3時で仕事を切り上げた人々はわずか3%だったというデータもある。プレミアムフライデーの導入に伴い、T-FRENDのようなコンプライアンス系のサービスも注目を集めたが、事態の解決には至らなかった。

熊田自身も、残業の問題はテクノロジーだけで解決できるものではないと思っていたという。「そもそもT-FRENDのサービスだけで残業問題が解決できるとは考えていなかった。ただし、このサービスがきっかけになり、従業員と経営層の間で残業に関する真剣な議論が交わされることを期待していた」

編集=上田裕資

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