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しかし、こうした遠隔勤務奨励策を快く思っている人ばかりではない。バーモント州の女性の経済的機会と地位の向上を支援する組織、バーモント・ワークス・フォー・ウィメン(Vermont Works for Women)のジェン・オールダム常任理事は、もっと良い資金の使い道があるはずだと語る。

オールダムはフォーブスに対し「バーモントへの住民招致自体に問題はない。しかし、バーモント州の女性人口には未開発の潜在経済力が存在するのに、州の労働力にさえならない遠隔勤務者の誘致に州の一般財源から50万ドル(約5500万円)が使われるのを見るのは心苦しい」と語った。

オールダムは「より投資回収率が高いのは、バーモント州の女性が州経済に本格的に貢献できるよう、地元に投資すること。そうすれば、労働力ニーズに直接働き掛けられ、投資利益率(ROI)は非常に良い」と指摘した。

しかし、VCETのイノベーション担当ディレクター、サム・ローシュガーバーは、遠隔勤務者は地元経済に貢献できると主張。フォーブスに対し「これは州にとって素晴らしい取り組みだと思う」と話した。

「VCETが注力するのはバーモント州内での起業支援だが、一方でテック系の遠隔勤務者が多くの価値をもたらしてくれることも認識している。遠隔勤務者はVCETに入ると、すすんでペイ・イット・フォワード(恩送り)を実践し、自らのスキルを共有して他者の成功を支援する、というのがわれわれの期待だ」(ローシュガーバー)

ローシュガーバー自身も、ペイ・イット・フォワードの実例だ。彼女は2013年、生活の質向上のためボストンからバーモント州に移住した。「ボストンの人からはクレイジーだと思われたけれど、バーモントの人は私の成功のため、自分の苦労もいとわず支援してくれた」とローシュガーバー。「現地の企業は、バーモント定住を希望する聡明で経験豊富な候補者の採用に意欲的だったことも幸いした」

彼女は現在、これ以上ないほど幸せだ。「先週の金曜、私はバーリントン(バーモント州の都市)の職場を午後5時に退勤した。その後7時にはマンスフィールド山でキャンプをして、たき火のそばでビールを片手に、輝くシャンプレーン湖を眼下に見ていた。これに勝るものはないでしょう」

編集=遠藤宗生

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