情報筋によると、今回のラウンドにおけるコヒシティの評価額は10億ドルを少し上回ったという。同社は、創業からわずか5年でユニコーンの仲間入りを果たしたことになる。
コヒシティの認知度はまだ低いが、セカンダリーストレージは600億ドル規模の巨大市場だ。現在、ハイアットやアメリカ空軍をはじめ200もの大企業が同社のサービスを利用している。コヒシティのハイパーコンバージド・セカンダリーストレージは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、データストレージと計算処理、ネットワークを統合管理することでオペレーションの効率化を実現する。
コヒシティ創業者のMohit Aronは、「Nutanix」の共同創業者で同社の元CTOであると同時に、グーグルのファイルシステムを開発した人物だ。同社は、バックアップハードウェアに保管された大量のデータをグーグル検索のようにサーチする機能を提供している。
これまで、企業向けストレージ市場は「Dell EMC」や「NetApp」などの大手が独占していたが、コヒシティや「Rubrik」などのスタートアップが新規参入している。コヒシティはこれまでに4億1000万ドル、Rubrikは2億9200万ドルをそれぞれ調達しており、2017年4月にはRubrikの評価額が13億ドルに達した。
Rubrikの共同創業者であるBipul Sinhaは、かつてベンチャーキャピタリストとしてAronが在籍していたNutanixに投資をしている。その後、SinhaはAronがコヒシティを設立した数ヶ月後にRubrikを立ち上げ、2人はライバル関係となった。
両社には、シリコンバレーの大手VCがこぞって出資をしている。コヒシティにはセコイア・キャピタル、Wing、アクセルパートナーズ、Artis Ventures、Battery Ventures、GV、Trinity Ventures、Foundation Capitalのほか、シスコやヒューレット・パッカード エンタープライズ、クアルコムのコーポレート ベンチャー キャピタルが出資をしている。