コーヒーに「チームワークの改善効果」 新調査で明らかに

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既に広く愛飲されているコーヒーだが、飲むとチームワークが改善するとの新たな研究結果が発表された。

コーヒーを飲むと注意力が上がり、チームワークに魔法のような効果が出るようだ。オハイオ州立大学フィッシャー経営大学院の博士課程(マーケティング学)に在籍し、同論文の共著者であるアミット・シンは報道発表で次のように述べた。

「注意力が増すことが、チームのパフォーマンス向上に結びついていたことが分かった。当然、カフェイン入りのコーヒーを飲む人の方が注意力が高くなる傾向にある」

これまでの研究では、カフェインが個人のパフォーマンスに与える効果を調べたものがほとんどだったが、研究チームが今回調査したのはチームへの影響だ。研究結果をまとめた論文は精神薬理学ジャーナル(Journal of Psychopharmacology)に掲載された。

共著者でカリフォルニア大学デービス校経営大学院に在籍するバス・ウナバとH・ラオ・ウナバ、シンの3人は調査を2回実施。各調査では、参加者をカフェイン入りコーヒーを飲む人とカフェイン抜きのコーヒーを飲む人に分け、一定時間にコーヒーを摂取させた。その後、意見の分かれがちな議題である、ウォール街占拠運動(米国で行われた、経済格差などに抗議する草の根運動)について議論をさせた。

この議題を考えれば、グループの中に摩擦が生まれると考える人がほとんどだろうが、実際はそうではなかった。結果を見ると、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ人はカフェイン抜きのコーヒーを飲んだ人よりも、自分自身やグループのメンバーを高評価していた。

その理由は、参加者の注意力が増したことだ。カフェイン入りコーヒーを飲んだかどうかにかかわらず、自分の注意力が高まっていると考えていた人は、自分自身やグループメンバーのことを高く評価する傾向があった。

賛成・反対意見を含め、グループは活発に議論を交わしたが、参加者は議論終了後、チームともう一度活動したいと答えた。

シンは「コーヒーを飲んでも、グループの議論が居心地悪く、不快なものになり過ぎることはなかったようだ」と述べた。「注意力が増すと、自分やグループの他メンバーの貢献度がより大きく感じられ、前向きな評価を下すようになるのではないか」

うまく行かないチームにコーヒーを与えればどうなるだろうか? より共感度が上がり、相手の話を聞くようになるだろうか? それは、試してみるまで分からない。

翻訳・編集=出田静

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