昨年7月からコーポレートファイナンス担当のバイスプレジデントを務めるディビア・スリヤデバラ(39)が今年9月1日付で、最高財務責任者(CFO)に就任する。来年3月に退任する現CFO、チャック・スティーブンスの後任だ。
スリヤデバラは、GM傘下にあった独オペルの売却や自動運転技術のスタートアップ、米クルーズ・オートメーションの買収、米ライドシェア大手リフトへの出資の実現などに尽力してきた。また、最近ではGMの自動運転車部門クルーズへのソフトバンク・ビジョン・ファンドからの出資受け入れにおいても、重要な役割を果たした。
スリヤデバラは2005年にGMに入社。に入社。インド・チェンナイにあるマドラス大学商学部で学士号と修士号を取得した後、ハーバード・ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得している。
およそ40年にわたってGMに勤めてきたスティーブンスは来年3月に退職するまで、顧問として同社に残る。バーラはその現CFOについて、「過去数年間において、GM全体の利益を伸ばす上での極めて重要な役割を担ってきた。わが社の中核的な事業戦略、将来に向けての事業戦略のあらゆる側面の進行と実行において、不可欠な存在だ」と述べている。
女性幹部は大企業でもまだ少数
CEOとCFOがいずれも女性という企業は、ほんの一握りだ。女性のキャリア推進を支援する非営利団体のカタリストによると、S&P500種株価指数の構成企業のうち、CEOや取締役など最上級のポジションに女性が就いている割合は27%程度にとどまる。
GMの場合はスリヤデバラの昇格により、17人いる執行役員のうち4人が女性になる。だが、それでもS&P500構成企業の平均にはわずかに及ばない水準だ。米フォード・モーターは、執行役員15人のうち4人が女性となっている。
バーラは2014年にCEOに就任して以降、自社の重要かつ活力ある分野の重要なポジションに女性を登用してきた。製造部門と人材管理部門(いずれもグローバル)のトップにはそれぞれ、アリシア・ボーラーデイビス、キンバリー・ブリッチが就いている。また、グローバル電気自動車(EV)プログラム担当のバイスプレジデントであるパム・フレッチャー、GMCとビュイックのグローバル・デザイン責任者であるヘレン・エムズリーなどもそうした例だ。
これまでGMへの貢献が大きく取り上げられることもなかった“影のヒーロー”である女性たちが、バーラに続いてガラスの天井を破り始めている。