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2018.06.15 07:30

アルファベット投資部門が獲得した女性の「スケールさせる力」

Atstock Productions / shutterstock.com

2016年にウーバーを辞めたフレデリック・デイムは、従業員80名で始動したスタートアップが7000名以上の大企業に成長する現場に居合わせた。その後、彼女にふさわしい新天地を探し続けた結果、ぴったりの場所が見つかった。

デイムは先日、かつて「グーグルベンチャーズ」として知られたアルファベット傘下の投資会社「GV」にパートナーとして参加することを明らかにした。GVはこれまで数多くの投資案件で成功を収め、今年2月にはがんデータ解析ソフトの「Flatiron Health」を製薬大手「ロシュ」に19億ドル(約2000億円)で売却した。また、ウーバーの創業当初からの出資元であるGVは、ソフトバンクへのウーバー株売却からも多大な利益を得ている。

GVのCEOを務めるDavid Kraneによると、デイムは今後、特定の領域にフォーカスせず、彼女が興味を持つ分野のスタートアップを支援していくという。デイムは既にゲーム企業の「ユビソフト」と、フィットネス企業の「Les Mills」という、ジャンルがかなり異なる企業2社の役員に就任している。

Kraneはデイムが持つテクノロジーに関する知見を高く評価している。彼女はパリで通信エンジニアリングを学んだ後、ロンドンで宇宙テクノロジーや衛星コミュニケーションを学んだ。その後、シリコンバレーにやってきた。

デイムがKraneと最初に出会ったのは、彼女がヤフーに在籍していた頃だという。その後、ウーバーに移った彼女とKraneは交流を深め、GVからの出資につながったという。

デイムのこれまでの経験はGVが投資対象とするアーリーステージの企業を見つける上で、大いに役立つことになる。また、ウーバーが巨大企業に成長する過程を見届けた彼女は、スタートアップをスケールさせる上での知見も豊富だ。

「ウーバーが成長を成し遂げたのは、初期の段階から明確なビジョンがあったからだ。起業というのは10年間にも及ぶ長い道のりになる。最初にゴールを設定しておくことが非常に重要だ」とデイムは話す。

「会社を立ち上げるのなら、大きな目標を設定すべきだ。社会にインパクトを与える企業の成長を支援していきたい。GVで仕事が始められることにとてもエキサイトしている」と彼女は話した。

編集=上田裕資

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